「メンズヘアサロン」のサブスクが盛況、背景になにが?:解約率は(4/5 ページ)
サブスクを提供するメンズヘアサロンが増えつつある。なぜ、男性向けの月額制カット通い放題サービスが求められているのか。会員数が増えている「エン メンズトータルビューティーサロン」の大谷優太社長に話を聞いた。
解約率は約3%、100人弱の株主も獲得
エンでは、毎月20〜30人ペースで会員が増えているという。東京の2店舗には5席を構えており、月額会員400人までは対応可能だ。大谷氏は「近いうちに上限に達するのではないか」と話し、400人に達したら集客をストップするそうだ。解約率は約3%と非常に低く、顧客満足度が高いのかもしれない。
「解約理由のほとんどは、転勤や出張で定期的に通えなくなったから。試しに始めてみたけど需要に合わなかったという方もいますが、少数です。基本的に事前予約が必要で、時間が空いたからとその日に施術するのは難しいため、スケジュール調整の課題が若干あるかもしれません」(大谷氏)
順調に会員が増え続け、いよいよ全国展開となったとき、資金調達として大谷氏が利用したのが株式投資型クラウドファンディングサイト「FUNDINNO(ファンディーノ)」だった。約10万円から未上場のベンチャー企業に投資ができるサービスで、事業主にとっては、投資家でありながらコアユーザーにもなり得る「ファン投資家」が獲得できるなどのメリットがある。
エンは、この株式投資型クラウドファンディングを通じて92人の投資家を集め、約1500万円の資金調達に成功した。
「エンのビジネスモデルは、一般的なヘアサロンよりファンをつくりやすいサービスだと思っています。株式投資型クラウドファンディングの場合、当社が上場するなど成長しなければ、投資家側は大きなリターンが得られません。
だから経営に協力的になってくれるはずだし、ファンの熱意が一般的なクラウドファンディングとは段違いだろうと考えました。ハイクラス層のファンを集めることも重要視していて、実際、集まった投資家は経営者が多い印象でした」(大谷氏)
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