「メンズヘアサロン」のサブスクが盛況、背景になにが?:解約率は(5/5 ページ)
サブスクを提供するメンズヘアサロンが増えつつある。なぜ、男性向けの月額制カット通い放題サービスが求められているのか。会員数が増えている「エン メンズトータルビューティーサロン」の大谷優太社長に話を聞いた。
目標は全国10店舗、男性美容の課題解決へ
大谷氏への取材日は、心斎橋店がオープンした翌日だった。反響を尋ねると「非常に順調」だという。
「オープン初日で11人が会員になってくれました。予約も満員ですし、2カ月もすれば会員を100人程度に拡大できる手応えは感じています。メインの会員層は東京と似ていて、時間に融通が効く20〜30代の方ですね。『こういうサービスを待ってました』と言ってくださる方もいました」(大谷氏)
席と席の間に仕切りを設けた心斎橋店は、隣が見えない仕様になっている。大谷氏は今後、こういった店舗を増やしたいと話す。
「スタッフもお客さんも男性ばかりの男性に特化したサービスなので、そもそも構えずにラフに話せる雰囲気があります。プライベートを重視した空間設計をすることで、より気軽な会話や美容の相談をしていただければと思っています」(大谷氏)
順調にいけば、23年1月までに福岡、名古屋、横浜に店舗を追加して全6店舗に拡大、23年中には全10店舗まで拡大したいと意欲を見せる。
「人材と物件の確保は課題ですが、全国展開を成功させたいですね。エンを通じて達成したいのは、男性の肩身が狭くならないこと。近年は男性に清潔感や美意識がより求められていて、それを気にする男性が増えました。でも、必要な情報をどう探せばいいのか、どこに行けばいいのか分からない人が多い気がします。そういった男性の課題を解決できる存在になりたいなと」(大谷氏)
富士経済の調査によれば、21年のメンズコスメの市場規模は1550億円(前年比102.9%)、22年の見込みは1583億円(同102.1%)と大きくはないが、確実に伸びている。メンズ整肌料やメンズボディケア製品に新ブランド、新商品の投入が相次ぎ、伸長につながっているそうだ。メンズヘアサロンを起点にした髪から始める美容への投資も、同様に高まっていくのかもしれない。
写真提供:エン
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