コラム
不倫関係にあった上司から卑猥なメッセージ 部下はセクハラを申し出たが、会社に関与する義務はあるのか?:Q&A 弁護士に聞く、現場のギモン(1/2 ページ)
営業事務のAさんからセクハラ相談窓口に「営業部長から卑猥(ひわい)な内容のメールが送られてくる」と相談がありました。営業部長によると過去に不倫関係にあり、交際時のメッセージだそうです。当時のものだとしてもセクハラに当たるのでしょうか? また、会社の関与義務はあるのでしょうか?
連載:Q&A 弁護士に聞く、現場のギモン
働き方に対する現場の疑問を、岸田鑑彦弁護士がQ&A形式で回答します。回答を見るには、会員登録が必要です。「ITmediaビジネスオンライン 総務・人事通信」と合わせてお読みください。
Q: 営業事務のAさんからセクハラ相談窓口に相談がありました。「営業部長から『キスがしたい』『今日はどんな服装? スカート希望』など卑猥(ひわい)な内容のメールが送られてきます。帰る方向が一緒なので駅で待ち伏せもされたこともあります。自宅も知られているのでストーカーまがいのことをされないか心配です」という内容で、確かにそのようなメッセージを受け取っていることが確認できました。
営業部長にヒアリングをしたところ「実はAさんとは不倫関係ではあるものの、交際をしていた。そのメッセージも交際時のもの。最近、Aさんから夫にバレそうになったので関係を解消したいと一方的に言われた。配偶者がある身でこんなことを言うのは恥ずかしいが、本当にAさんを愛している。やり直したいと思ってアプローチをしただけであり、セクハラではない」とのことでした。
どうやら直前まで不倫関係にあったことは事実のようです。このような場合、セクハラに該当するのでしょうか? 不倫は個人の問題なので会社は関与しない方が良いのでしょうか?
関連記事
- サイバー、初任給42万円 “残業80時間”は法的に問題ないのか?
サイバーエージェントが2023年春の新卒入社の初任給を42万円に引き上げると日本経済新聞が報じ、話題を集めた。そこには80時間分の固定残業代があらかじめ含まれているとのことだが、法的に問題はないのだろうか? - 役職定年のシニア管理職、モチベーション低下が課題に 制度設計の3つのポイント
シニア社員の活用促進のために定年延長を実施することにしました。同時に役職定年制を導入することを検討しているものの、該当者のモチベーションダウンが心配という声もあります。どのように制度構築をすべきでしょうか? - NTT、居住地自由のテレワーク 出社マストの職種に不公平はないのか?
NTTは2022年7月から「リモートスタンダード」を導入した。リモートワークがデフォルトで、居住地の制限を設けないことが特徴だ。グループ全体での対象者は3万人とのことだが、出社マストの職種に不公平はないのだろうか? - 約8割の中小企業が受発注にFAXを使用 DXが急務な中でもやめられないワケ
「日本の中小企業の75.8%は受発注をファックスでやり取りしている」――そんな結果が明らかになった。DXが叫ばれている中、なぜ中小企業のファックス使用はなくならないのか? - ミクシィ、フルリモート社員は約1割 8割超が”あえて出社”する理由とは
ミクシィは、従業員の生産性を最大化することを目的に、リモートワークとオフィスワークを融合した働き方「マーブルワークスタイル」制度を2022年4月に正式導入した。制度の導入から3カ月がたった7月現在、見えてきた成果と課題とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.