コロナでぼったくり飲食店が急増? 操作された口コミ評価に要注意、巧妙化する手口:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(2/5 ページ)
足元で「ぼったくり」や、「ぼったくりバー」といったキーワードの検索ボリュームが急増している。レビューサイトで偽のレビューを投稿するという手口で悪質店舗を優良店に見せかける手口が増えているのだ。足を運ぶまでわからないという点では、客引きよりも悪質だ。
筆者も騙された、口コミ工作の巧妙な手口
そんな筆者も、恥ずかしながら7月の初旬にこの手の店舗に引っ掛かってしまったことがある。
その時はコロナ感染者数も全国で1000人程度であったこともあり、会社のメンバーと久方ぶりに食事に行こうということになり、近場で「個室」で「肉寿司」を提供している飲食店を探していた。
そこで口コミもそこまで悪くない、個室の飲食店があった。最初に目にしたレビューはいずれも高評価なものばかりであったため、そのまま全てのレビューに目を通さずに店舗へ赴いたのである。
そこで、実際に足を運ぶと「個室」居酒屋と銘打っていたにも関わらず、実際には一部屋を薄いタペストリーのようなもので仕切っただけであった。料理の品質については察しの通りというものであり、さらにレシートにはチャージ料・サービス料・週末料金とプチぼったくりの三連コンボを喰らってしまったのである。
早々に店を出た後に他の口コミを確認して納得した。「上位に表示されていた口コミは偽のレビューである」と注意喚起している評価が下位に表示されていたからだ。
飲食店のレビューをめぐっては、19年ごろに「食べログ」でスコアを「操作」していると半ば炎上騒動になったことがある。そして、今年の6月には地裁判決ではあるが、食べログのアルゴリズムによる点数の補正がプラットフォーマーによる「優越的地位の濫用」として独占禁止法に違反していると指摘、同社に3840万円の賠償を飲食店に命じたことが話題となった。
そのような経緯もあって、「食べログ離れ」の受け皿として注目を集めていたのがGoogle Mapの口コミだった。しかし、アカウント作成が非常に容易なGoogleアカウントがあれば口コミが投稿できてしまうという簡便性が、ニセの口コミを生み出しているのである。
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