コロナでぼったくり飲食店が急増? 操作された口コミ評価に要注意、巧妙化する手口:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(5/5 ページ)
足元で「ぼったくり」や、「ぼったくりバー」といったキーワードの検索ボリュームが急増している。レビューサイトで偽のレビューを投稿するという手口で悪質店舗を優良店に見せかける手口が増えているのだ。足を運ぶまでわからないという点では、客引きよりも悪質だ。
インスタやTikTokで店選びをするZ世代
最近の潮流としては、TikTokやインスタグラムの投稿から、飲食店選びをするZ世代の存在も増加している。
これらの人々は、インスタグラムのハッシュタグ検索機能やTikTokのグルメアカウントなどの投稿写真や動画を確認した上で、信頼できる店舗かを判断している。ハッシュタグで店舗名を検索すれば、写真や動画付きの複数の投稿を閲覧することができるため、文章のみのレビューと比較して信憑性も高く、それぞれの投稿者が実際に足を運んだ証拠もつかめる。
また、インスタグラムのような実名で稼働しているユーザーも多いSNSのアカウントでは、悪質な店舗を良い店舗として紹介すると、その人が当該SNSで活動していくことが難しくなってしまう。このようなSNSは、各投稿に「アカウントの信頼」が担保された状態となっている優れたレビューアプリとみることもできる。
今後は、食べログなどのレビューサイトやSNSを多面的に比較することで情報の取捨選択を行い、悪質な飲食店から自衛するというスキルが求められてくるだろう。例えば、各サイトやSNSの投稿をまとめて二次的に総合評価を提示するようなサービス横断の比較サイトなども台頭してくるかもしれない。
筆者プロフィール:古田拓也 カンバンクラウドCFO
1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレイスを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CFOとしてビジネスモデル構築や財務等を手がける。Twitterはこちら
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