2015年7月27日以前の記事
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コロナでぼったくり飲食店が急増? 操作された口コミ評価に要注意、巧妙化する手口古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(4/5 ページ)

足元で「ぼったくり」や、「ぼったくりバー」といったキーワードの検索ボリュームが急増している。レビューサイトで偽のレビューを投稿するという手口で悪質店舗を優良店に見せかける手口が増えているのだ。足を運ぶまでわからないという点では、客引きよりも悪質だ。

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レビュアーの“信頼度”が重要、食べログ回帰も?

 レビュー工作が跋扈(ばっこ)している現状においては、レビューの数ではなく、質に気を払うことが重要となってくる。例えば、Google口コミの場合は、それぞれのユーザーが付けたレビューの件数と店舗を確認することができる。この時に、該当ユーザーの総レビュー数が1つしかない場合は自作自演のリスクがあると考えられる。

 一方で、単純に数が多いだけでは判断できない。例えば、非常に短期間の間に全国各地の店舗にレビューを行っているような場合は、レビュー請負アカウントの可能性が高い。

 では、どのような指標で判断するかというと、Google Mapの場合、一定の信頼できるレビュワーに対して付与される「ローカルガイド」という称号が名前の下に記載されているアカウントのレビューを参考にするというものだ。

 つまり、全体評価ではなく、信頼できるユーザーの影響度が高いレビューを参考にすることで悪質な店舗に当たるリスクを減らすことができる。

 実は、この考え方は「食べログ」のレビュー補正におけるキーコンセプトなのだ。

 食べログにおける飲食店の総合評価は、各ユーザーの評価を単純平均するのではなく、影響度に応じて加重平均を行うという。これにより信憑性の高いユーザーの声が反映されやすくなるようにしている。

 つまり、複数アカウントを一挙に作成してレビュー結果をすぐに釣り上げることができない仕組みとなっている。

 そもそも、食べログ離れが起きた要因は、いわゆる「3.8点問題」と呼ばれる総合評価のフィルタリング方式にあった。これは、高評価の店舗が3.8点以上になりにくいという問題であり、点数の補正自体は、信憑性の低いユーザーへの対策という点で有効であったと見るべきではないか。

 そうすると、レビューの信憑性が重視される中で、“悪質な店舗を避ける”という意味合いでは食べログは有効なツールであるといえ、ユーザーが回帰する可能性もある。

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