「昔はこうだった」「こうやるものだ」は禁句 Z世代と上手に働く方法:特徴から考える(3/4 ページ)
「Z世代」という言葉をよく耳にするようになった。1990年代半ば以降に生まれた世代のことを指しているが、職場でこうした世代とどのように接すればいいのだろうか。やっていいこと、やってはいけないことをまとめたところ……。
Z世代のマネジメントのポイントとは
(1)「つながり」を感じられる環境
では、具体的にZ世代をどのようにマネジメントしていけばいいのだろうか。そのポイントとして挙げたいのが、「つながり」を感じられる温かさを持つということだ。
先ほどご紹介したように、Z世代は「仕事よりプライベートを優先する」傾向がある。しかしそれは、仕事や会社に対してロイヤルティーがないということではない。それよりもむしろ、SNSやコミュニティーなど、オンライン/オフラインで人との接点を多く取る傾向からは、「誰かとつながっていたい」願望を持っているのだと私は理解している。
コロナの影響により、オンライン研修やテレワークを取り入れる企業が増えてきたが、出社の機会が少なくなった新人に対して、「つながり」を感じられる環境にあるかどうか、今一度問い直してみるといいだろう。業務効率化というメリットの裏で、「入社した実感を得にくい」「コミュニケーションが取りにくい」と感じている新入社員がいるかもしれないからだ。
(2)上から目線ではなく、寄り添うコミュニケーション
また、新人に寄り添ったコミュニケーションを取ることも意識したい。Z世代は、コミュニティーやインターネットを駆使し、常に情報を収集している。いわば、情報の大海原の中でうまく波乗りをしている人も多い。
そのため、「昔はこうだった」「こうやるものだ」などと、上から目線で一方的に指示を出すのは禁物だ。それよりも、コミュニケーションを取りながら個々の能力を見極め、伸ばしていくことが非常に効果的である。同じ目線に立って意見を求めることで、日常的に多様な情報を収集している彼らから、思いもよらない観点やアイデアを得られ、会社の利益につながることがあるかもしれない。
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