真の5G「5G SA」ドコモから登場 でもキラーアプリはスピードテスト?:房野麻子の「モバイルチェック」(1/3 ページ)
NTTドコモが「真の5G」とされる「5G SA」を、8月24日からコンシューマに対しても提供開始した。コア設備に4Gの設備を用いる現在のNSA(ノンスタンドアロン)方式の5Gに対し、5G SAはコア設備もすべて5G専用の装置を用いたネットワークシステムだ。
NTTドコモが「真の5G」とされる「5G SA」を、8月24日からコンシューマに対しても提供開始した。ドコモの5G対応料金プランを契約するユーザーに、月額550円のオプションサービスとして提供するが、サービス開始に合わせて無料キャンペーンを実施しており、キャンペーンの終了時期は未定だ。
コア設備に4Gの設備を用いる現在のNSA(ノンスタンドアロン)方式の5Gに対し、5G SAはコア設備もすべて5G専用の装置を用いたネットワークシステム。高速通信に加え低遅延、多数端末接続が特徴となる。また、ネットワークを仮想的に切り分け、サービスに適した形で通信する「ネットワークスライシング」も可能になる。
ドコモは2021年12月から、法人向けに専用データ通信端末とセットで5G SAを提供している。22年夏のコンシューマ向けSA方式提供も予告しており、予定通りのサービス開始ということになる。周波数帯は、3.7GHz帯、4.5GHz帯のSub-6帯に加えて28GHz帯のミリ波にも対応する。通信速度は受信時最大4.9Gbps、送信時最大1.1Gbpsとなり、従来の受信時最速4.2Gbpsを超えている。
ただし、5G SAのサービスエリアはごく一部だ。主要ターミナル駅周辺やイベント会場、商業施設など人が集まるエリアから展開するとしているが、8月24日時点では全国で40カ所に満たない。エリアというよりはスポットという表現が妥当だろう。大阪府はJRの駅を中心に20カ所あるが東京都は東京駅の1カ所のみと地域差も大きい。全国47都道府県に広がるのは23年度末になる模様だ。
また、5G SAで通信できる対応端末も現時点ではドコモの最新ハイエンド機種に限られている。8月時点でiPhoneやミドルレンジ機種は未対応で、5G SAの恩恵を受けられるのは本当にごく一部のユーザーだ。
一般向けの5G SAは、すでにソフトバンクも提供しているが、こちらもドコモ同様、エリアと端末はごく一部に限られる。KDDIは法人向けが2月から、一般向けは今夏以降に提供開始の予定だ。
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