外資系企業で結果を出す人が重要視する“超実践的スキル”:外資系1年目の教科書(2/4 ページ)
「VUCA時代」にどこでも活躍できる、どのような状況下でも生き残れる、“身に付けておくべき超実践的なスキルとは? 外資系を渡り歩いた山口畝誉(うねみ)氏によると……。
「聞く」こと以上に「聴く」ことに徹する
私の経歴を一見すると、外資系企業を渡り歩いているので、さぞかし英語は堪能だろうと思われるでしょう。しかし実は、今でも「話す」ことには苦手意識を持っています。
そんな私が30年にわたり外資系でキャリアを積んでこられたのは、「聞く」こと以上に「聴く」ことに徹したからです。ただ、意識していたわけではなく、このことは後にさまざまな学びを経て気付いたことでした。
外資系では、グローバルチームとプロジェクトを推進する場面が多々あります。予算を持っているのは本社なので、プロジェクトを推進するためには、まず本社を説得して予算を取り付けなければなりません。そのためにも、本社キーメンバーとの信頼関係の構築は必須でした。できなければ日本市場に投資をしてもらえなくなるので、その必要性や重要度は分かっていただけるでしょう。
では、信頼関係を築くために私は何をしていたのでしょう? 今までの流れから自明ですが、最も注力していたのは話すことではなく「聴く」ことでした。
聴くことに徹していた理由はとても単純なもので、私は英語がネイティブではなく、全身全霊で集中して聞かないことには、内容を理解できなかったためです。どうしても英語でのコミュニケーションにおいてはハンディがあり、苦手意識もありました。
例えば、ミーティングでどのような議論がされているか理解できないことには、自分の意見を伝えることもできません。理解しないまま話そうとすると、とんちんかんなことを口走ったり間違った決断を導いたりしかねません。これでは信頼を落とすことにつながります。英語でコミュニケーションする場合には、相当注意して聞かないと内容すら頭に入ってきませんでした。姿勢も前のめりになっていたことでしょう。まさに相手にとって私は、姿勢からして「傾聴」しているように映っていたのです。
こうした態度でいると、おのずと聴くことが8〜9割、話すことが2〜1割になります。実はこの比率こそが、コミュニケーションにおける黄金比なのです。
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