「トークンエコノミー」は、大きな可能性があるのか:Jリーグがさきがけ(1/3 ページ)
「トークンエコノミー」という言葉を耳にするようになってきた。意味としては「独自の経済圏」というかなり大きな言葉らしく、文系の身にはかなりつらい説明だが、ここへきて俄然注目を集めている。
Jリーグがさきがけ
有名になったきっかけは、なんといってもJリーグの湘南ベルマーレだろう。湘南ベルマーレは、「湘南ベルマーレトークン」と名付けられたトークンをサポーターやファンに販売して、資金調達とクラブチームとファンとのコミュニケーションに生かすというものだ。
また、同じJリーグのアビスパ福岡も「アビスパ福岡クラブトークン」の発売を行った。初回のトークン発売では、944万円を集めたという。担当者が語るには、収益はもちろんのこと、ファンとのコミュニケーション、運営にあたっての様々なアイデアを得ることに役立っているという。
ファンやサポーターは、トークンを保有することで、クラブチームの企画や投票、限定イベントや限定グッズなどへの応募、参加が可能になり、ケースによってはクラブに対して意見を言うことも可能になるようだ。
つまり、ファンはこれまでよりも一層踏み込んだ応援のかたち、サポートのやり方が可能になる。
そもそも、トークンとは、「しるし」「象徴」「記念品」「証拠品」を指す言葉というが、ビジネスで活用する場合には、「使える場所や対象が限られている代用貨幣」「1回だけ使える認証権限」というように考えればよいらしい。そういえば、ネット銀行の振込決済をするときに、1回だけのパスワードを発行する端末もトークンと呼ばれていたので、1回だけの認証権限というのは、その通りの意味だ。
トークンの発行を支える技術は、はやりの「ブロックチェーン」で、これによって信頼性やセキュリティが保たれ、「仮想通貨」としての機能も持つことができる。トークンは、ポイントのように購入・保有することができ、取引の状況に応じて、価格が変動することもある。
関連記事
- CDが苦戦しているのに、なぜ曲を取り込む「ラクレコ」は売れているのか
CD市場が苦戦している。売り上げが減少しているわけだが、CDをスマホに取り込むアイテムが登場し、人気を集めている。商品名は「ラクレコ」(バッファロー)。なぜ売れているのか調べたところ、3つの要因があって……。 - キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。 - 渋谷で「5000円乗り放題」を始めて、どんなことが分かってきたのか
長距離バスの運行などを手掛けているWILLERが「月5000円で乗り放題」のサブスクプランを打ち出したところ、利用者がじわじわ増えている。4カ月ほど運営してみて、どんなことが見えてきたのかというと……。 - 何度も使える「2750円のタオル」は、なぜ1週間で完売したのか
タオルの価格は2750円――。この話を聞くと「高いなあ」「誰が買うの?」と思われたかもしれないが、吸水スポンジメーカーのアイオンが発売したところ、売れに売れているのだ。高価なタオルは、どのような構造をしているのかというと……。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.