米アップルが9月8日に発表したiOS搭載スマートフォンの新モデル「iPhone 14」シリーズ全機種が、充電ポートの規格として独自規格「Lightning」(ライトニング)を搭載していることが公式ストアの仕様情報で分かった。EU(欧州連合)では、USB-Cをスマホなどの機器の充電ポートの標準とする法案が暫定的に成立しており、同社がUSB-Cを採用するか注目を集めていた。
同社は2012年9月発売の「iPhone 5」でライトニングを初採用。表裏どちらでも差し込める点が好評で、iPhone 5以降、全てのiPhoneシリーズが採用していた。
一方で、EUは21年9月、USB-Cをスマホなどの機器の充電方法の標準とする法案を提出。6月に暫定的に法案が成立し、24年秋までにUSB-C搭載の義務付けが確実視される見通しとなった。
アップルは「iPad」シリーズ(いわゆる無印iPadを除く)や「MacBook」シリーズの現行機ではUSB-Cポートを採用しており、主力商品とされるiPhoneシリーズがEUの規制に対応する形で採用するか注目を集めていた。
しかし、結果的に公式サイトの各機種の仕様情報では、同日に発表された「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」「iPhone14 Pro」「iPhone14 Pro Max」の4モデルともライトニング端子であることが確認された。
ライトニング搭載は「iPhone 14」がラスト?
アップル製品の事情に詳しいMing-Chi Kuo氏は自身の公式Twitterアカウント(@mingchikuo)で「私の最新の調査は、23年下半期の新型iPhoneはライトニングポートを捨て、USB-Cポートに変更されることを示している。USB-Cはハードウェア設計上、iPhoneの転送速度や充電速度を向上させる可能性がある。ただ、最終的な仕様の詳細はまだiOSのサポートに依存している」と投稿している。
同じく事情通の米経済誌BloombergのMark Gurman記者も自身の公式Twitterアカウント(@markgurman)で「アップルは確かにライトニングからUSB-Cへの変更を計画している」と投稿。「旧型アクセサリー(ライトニング)同様、新型コネクタを搭載した次世代機をテスト中だ」とした。
特にMing-Chi Kuo氏は事前リークの情報精度が高いことで知られる人物として、アップルユーザーの中では知られた人物。アップルは「iPhone 4s」以降、毎年秋(特に9月)に新機種を発表する傾向にあり、Ming-Chi Kuo氏の投稿内容が正しいものだと仮定するならば、今回発表された「iPhone 14」シリーズが、ライトニングを搭載する最後の機種になる可能性が高い。
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