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アヒルの卵からフォアグラ! 世界の代替「ラボ」から学べることは?世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

世界では、意外なものも含め代替食品の開発が進んでいる。日本に目を向けると、先日デジタル庁が「フロッピーディスク撲滅」を発表したばかり。長期的な視点で、日本がこれから本当に強化すべき道とは……。

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日本はどうか

 ラボでさまざまなものを作れる技術は今後ますます洗練され、質が高まっていくと考えられる。私たちの想像以上に、多くのものが、本物そっくりに作られるようになるはずだ。そうなると、モノの価値観から、ビジネスの環境、ビジネスモデル、カネの流れから国家財政にまでも影響を与える可能性がある。サプライチェーンやコストの概念も大きく変わるかもしれない。

 とにかく「ラボ」から生み出されるものが、かなりのインパクトを人類と地球に与えることになるだろう。この瞬間も、ラボから、世界的な問題を解決するかもしれないエシカルなイノベーションが生み出されているのかもしれない。

 その半面、日本に目を向けると、何年も前から批判されてきた「フロッピーディスク」を、デジタル庁が撤廃する方向で動き始めた。このことを「デジタル改革のスピードアップ」と評価するような報道があったが、それは改革でもなんでもない。海外でもそのニュースは報じられていたが、世界第3位の先進国の話にしては恥ずかしすぎる内容で、だからこそ海外で記事になっていたのである。


「フロッピーディスク撲滅」が話題となる日本

 日本もぜひ、「ラボ」で進められている代替食品の開発のように、長期的な視点で世界を見て、これから本当に強化すべき道を見定めてもらいたい。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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