「悲劇」を繰り返してはいけない 園児置き去り防止サービスの開発者を取材した:タダなので使ってください(5/5 ページ)
静岡県の認定こども園で、3歳の園児が送迎バスに約5時間置き去りにされ、熱中症で死亡した。再び悲劇が繰り返されたわけだが、防ぐことはできなかったのだろうか。園児置き去り防止サービス「QRだれドコ」は、バスの乗降管理ができる「バスモード」を搭載。どのように役立つのか、開発者を取材した。
保護者の要望「プッシュ通知」も導入予定
オプション的な機能として、園児が保護者に対し自発的にメッセージや気持ちを送信できる機能「すまいるモード」も搭載されている。「ぜんぶたべたよ」「えんていであそんだよ」といったメッセージと顔文字を選び、園児がQRコードをかざすと、保護者のスマートフォンなどにその情報が送信される。
今後の取り組みとしては、保護者から要望があった通知機能の追加を考えているそうだ。
「入園・退園のタイミング、あるいはバスに乗ってから時間が経過しても入園していないといった場合の通知機能を求める声があり、導入したいと思っています。メールやSMSを活用したプッシュ通知となる予定です」(南野氏)
各社の報道やツイッターなどの発信を見ると、各幼稚園・保育園では、さまざまな安全対策が取られているようだ。送迎バスに同乗する職員と運転手で園児の降車後に二重チェックを行う、バスの運転手が突発的に休むときはバスを運行しないなど。
また、スクールバスが多く利用されている米国では、大手のスクールバス製造会社が後部安全機能を標準装備している。ドライバーがエンジンキーを抜くと社内にアラームが鳴り響き、解除には最後部まで歩いて行く必要がある。その過程で座席をチェックできるというわけだ。
「QRだれドコ」は、今後も、幼稚園・保育園には原則無料で提供するという。こういったシステムは、あくまで補助的な役割ではあるが、ヒューマンエラーを減らす効果は期待できるのではないか。
写真提供:フルティフル社
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