円安なのに、ハワイの不動産が激売れしているワケ:現地を見ずに買う人も(1/5 ページ)
ハワイの不動産が売れに売れている――。取材した不動産会社の2021年の日本人のハワイ不動産取引件数は20年に比べて約2倍。円安が言われる現在でもその勢いは衰えていない。活況の背景を聞いた。
ハワイの不動産が売れに売れている――。取材した不動産会社の2021年の日本人のハワイ不動産取引件数は20年に比べて約2倍。円安が言われる現在でもその勢いは衰えていない。活況の背景を聞いた。
投資というより、資産形成
日本国内でも不動産投資に熱い視線が寄せられている。経済や社会の先行きに不安を抱く人が増え、早期リタイアが話題になる中、安定的な資産、本業とは別の財布を持ちたいと考えるのは無理もない話だ。
だが、「ハワイへの投資はそうした国内での動きとは少し違う」と話すのは、現地で不動産の売買などを手掛けるリストサザビーズインターナショナルリアルティ(横浜市)の青木貫太郎氏。ハワイ不動産の購入者には長期保有を考えている人が多く、ドル通貨への資産分散という観点も共通しているという。円建てだけでなくドル建てでも資産を持っておきたい、そのための一手としてハワイの不動産があるというのだ。
「実際の購入動機は別荘として引退後を豊かに暮らしたい、いずれ賃貸、売却など広い意味で投資のつもりで……とさまざまですが、共通するのはドル通貨への資産分散という観点です。円建てではなく、ドル建てで資産を持っておき、その価格が長期的になだらかに上がっていくのを期待、状況に応じて自分で使ったり、貸したりしようというもので、安定した、目減りしない、楽しめる資産としてハワイ不動産を見ていらっしゃるようです」(青木氏)
コロナ禍で増えた金融資産の行先として都心を中心に高額不動産が動いているが、ハワイ不動産も流れとしては共通するものがある。だが、都心不動産の場合には長期保有というより収支重視、価格の変動によっては早期売却と出口を考えている人も多く、投資の意味合いが強い。それに比べるとハワイ不動産は長期的な資産形成、資産分散という観点で買われているというのだ。
関連記事
- アイドルの“聖地”「サンストリート亀戸」の跡地はどうなった?
かつて東京・亀戸にあった商業施設「サンストリート亀戸」をご存じだろうか。下積み時代のPerfumeがライブを行っていたことでも知られ、ファンの間では“聖地”の一つになっていた。その跡地には今何があるのかというと、新しい商業施設「カメイドクロック」だ。 - ビジネスホテルの“無料朝食”、気になる原価は一体いくら? 激化する“朝食合戦”から見るホテルの今
ホテルが朝食で特色を出そうとしていることは、宿泊者としてひしひしと感じる時がある。新たな施設の建設やリノベーションを施せば特色は強く打ち出せるが、コストはバカにならない。朝食は差別化のアイテムとして取り組みやすい部分なのだろう。 - 三菱地所が目指す「有楽町改造計画」の全貌 解体予定のビルに生まれた“謎空間”とは
20年前の東京・大手町、丸の内、有楽町を覚えているだろうか。午後3時にはシャッターが閉まり、週末はほぼ無人になる寂しいオフィス街だった。だが、この20年で街の風景は大きく変わり、道行く人の顔ぶれも多様に。社会の変化を追い風にして次の10年へ。これまでにない街を目指す大丸有の今を聞いた。 - スーパーで500ミリのコカ・コーラを見なくなった“なるほど”な理由
再値上げ、再々値上げが続く中、工夫をこらして単価を上げている企業も存在します。その一例が、日本コカ・コーラです。 - ワークマンの人気商品「真空ハイブリッドコンテナ」 担当者も予想外なアウトドア以外のニーズ
キャンプ用品の本格展開を開始したワークマン。その人気商品の1つが「真空ハイブリッドコンテナ 4.6リットル」(2500円)だ。少量のドリンクや食料を保冷したり保温したりすることができるアイテムでSNSなどで話題に。担当者によると、アウトドアシーン以外でも活用されているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.