「部下が身勝手だ」と怒る“昭和の上司”が知らない、“令和の部下”の育て方:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ)
残業はやりたくない、異動もしたくない、出世なんてまっぴら──そんな新しい価値観を持つ“令和の部下”と、“昭和の上司”とのすれ違いが起きている会社は少なくないでしょう。なぜ、“令和の部下”は気ままに振る舞うのか? どうしたら、理解し合うことができるのか? 河合薫氏が解説します。
今回は“昭和の上司”と“令和の部下”の問題について、あれこれ考えてみます。
まずは、某中小企業に勤める“昭和の上司”のぼやきからお聞きください。
なんかもう完全に価値観が違うというか、働き方の意識が違うといいますか。情けない話ではありますが、20代の部下の扱いが、ほとほと嫌になってしまいました。
当たり前のことを言っても、二言目には「それって昭和的ですよね」と反論する。残業はやりたくない、異動もしたくない、出世なんてまっぴら──「普通に働けたらそれでいいんです」とニコニコした顔で言うんです。
今の若い世代は、昭和的な働き方を嫌います。ただ、彼らの言ってることは、的を射てる場合もあるので、こっちの考え方を変えるべき問題だったりもします。なので、ただ彼らの言いなりになるのではなく、こちら側が考えていい方向に向かわせればと思ってはいます。
でもね、全く自分から動かない、自分の仕事しかしないのは、もう社会人なんだからどうにかしてほしい。だいたい「仕事はチームでやっている」という意識が皆無です。だから、他人に迷惑がかかっても、それを迷惑を思わない。
締め切りを守らない、誤字脱字をチェックしない、注意しても全く聞いてない。約束の時間に平気で遅刻する若手は、数年前からいました。彼らに約束時間を守らせるのには、本当に手を焼きました。それに輪をかけて、手がかかるのが今の若手です。
その都度、指導するのですが、その時は「ご指摘ありがとうござます」と言うのに、全く改善されません。それでこちらが業を煮やしてきつく注意すると、パワハラだと人事部に相談に行くんですからたまったもんじゃない。
もちろんちゃんとやる部下もいます。でもね、仕事は趣味じゃないし、サークル活動でもない。ましてや、彼らのやりたいことをやる場所でもない。どうしたら、彼らに働くということの重みを理解してもらえるのか。どう声かけをすれば、主体的に考えて動くようになるのか。
いったいいつまで、彼らを持ち上げつづけなきゃいけないのか。褒めて育てるというけど、褒めるネタも尽きました
語り口は穏やかでしたが、男性は相当怒りを溜め込んでいました。
確かにいつの時代も年配者は、「最近の若い者は……」と嘆きます。しかし、令和の部下は桁違いにめんどうだ、と。
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