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脱げない靴下をつくりたい――と考案した「はかないくつした」が話題 逆転の発想はどう生まれたのか:素足以上に足どり軽く(3/4 ページ)
「靴下のかかとが脱げやすいなら、いっそなくせばいいのでは?」――そんな思い付きから生まれたのが、ナイガイ(東京都港区)の「はかないくつした SUASiC(スアシック)」(1足880円)だ。
開発で一番大変だったこと
「はかないくつした」は、靴のサイズに合わせてカットすることができ、洗濯してもふちがほつれないようになっている。遠藤さんによれば、ここが一番苦労したポイントだという。「カットできる、靴下のように毎日洗える、これらの機能を生かすためにも、ふちのほつれは絶対に解決したかったのですが、なかなかうまくいきませんでした。糸の太さや編み方の試行錯誤を繰り返しました」(遠藤さん)。ようやく形になった時には、思い付いてから2年以上が経過していた。
2年をかけて商品化した「はかないくつした」は、5月27日〜7月3日にクラウドファンディングを実施。募集目標金額を上回る支援を集め、8月には直営店やECサイトでの一般販売に踏み切った。9月には特許を取得し、来年春には量販店などでも本格販売を開始する予定だ。
購入者からは、「素足で履きたくなくて困ってた」「靴下が苦手なのでうれしい」など好評を得ている他、意外な事実も分かったという。「私たちの予想では、パンプスやローファーといったかかとが覆われている靴で多く使われるかと思っていました。しかし、実際にはサンダルやミュールなどかかとのない靴に積極的に使われていました」(遠藤さん)
その一方で課題も見つかったという。「現在展開している『はかないくつした』は、その性質上、革靴や紐靴には不向きです。今後は、全ての靴に合わせられるよう改良を進めていきます」(遠藤さん)
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