本当に優秀な人は、実は採用市場に出てこない──では、どう採用するか?:DX人材がいない!(3/4 ページ)
採用競争の激しい現代、ただ待ち構えているだけでは、欲しい人材は自社のドアをノックすらしてくれません。どの会社も欲しがる魅力的な人は、実は中途採用市場に出てくることなく転職するケースも多いです。企業は、戦い方を変えなければなりません。
心理的ハードルを下げる:まずはカジュアル面談を
従来の企業優位の選考は、企業がたくさん来る候補者を見定めていました。しかし、DX人材のように候補者が引く手あまたの場合は、企業側が選ばれる立場になりました。情報発信によって転職候補として意識してもらった後のアプローチの仕方についても、面接にいきなり進むのは候補者側にとって心理的ハードルが高く断られることが多いでしょう。
そのため有効な手段としては、カジュアル面談というものがあります。 カジュアル面談とは、通常の採用面接とは異なり、履歴書やエントリーシートの類を必要としない、その名の通りカジュアルな面談スタイルです。本選考の前段階に位置付けられます。
選考と比較すると、お互いの「本気度」は必ずしも高くありません。あくまでも双方の意向、転職への意識、自社で提供できる仕事のやりがいなどの情報を交換するためのカジュアルな機会です。
まずはカジュアルに話せる機会を作った上で、候補者のやりたいことを自社でどう実現できるのか、どのようなキャリアを積めるのかを話し、選考に興味を持ってもらいます。候補者側に心理的ハードルが少ないため、今まで会えなかった候補者に会えて採用につながるケースも多くあります。
カジュアル面談を設定しやすい場としては、Wantedly VisitやYOUTRUST、Meetyなどのサービスで連絡を取る方法が便利です。ビズリーチなどのダイレクトリクルーティングでもスカウトで候補者へ面接を提案するのではなく、カジュアル面談を提案することで返信率を上げられます。
関連記事
- 優秀な人を欲しがる現場、見つけられずに悩む人事──「中途採用の壁」を壊すため、何をしたのか
DX人材の採用に注力し始めても、部門の要求が高く、マッチする人材がそもそも見つからなかった東洋エンジニアリング。開始から「半年間、成果なし」だった市場価値の高い人材の採用を、どのようにして軌道に乗せたのか。取り組みを聞いた。 - 「優秀だが、差別的な人」が面接に来たら? アマゾン・ジャパン人事が本人に伝える“一言”
多様性を重視するアマゾン・ジャパンの面接に「極めてだが優秀だが、差別的な人」が来た場合、どのような対応を取るのか。人事部の責任者である上田セシリアさんに聞いた。 - SOMPO、なぜ全社員を「DX人材」に? 6万人超にたたき込む“DX版読み・書き・そろばん”とは
SOMPOホールディングスがグループをあげてDXを推進している。約6万3000人にも上る国内グループ全社員を3つのタイプのDX人材のいずれかに振り分け、研修を実施中だ。しかし、ルーツをたどると明治時代にさかのぼるほどのレガシー企業だけに、アナログ文化も残っており、変容を遂げるのは簡単ではない。 - 「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」 両者を分ける“4つのスキル”とは?
日本企業はなぜ、「部下を育てられない管理職」を生み出してしまうのか。「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」を分ける“4つのスキル”とは? 転職市場で求められる優秀な管理職の特徴について解説する。 - 幹部候補か、“万年ヒラ”か キャリアの分かれ目「30代以降の配置」を、人事はどう決めている?
「育成」の観点から異動配置させる20代が過ぎると、多くの企業は「幹部候補の優秀人材」と「それ以外」の社員を選別します。人事は、そうした異動配置をどのように決めているのでしょうか。年代層別の異動配置のロジックをみていきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.