本当に優秀な人は、実は採用市場に出てこない──では、どう採用するか?:DX人材がいない!(2/4 ページ)
採用競争の激しい現代、ただ待ち構えているだけでは、欲しい人材は自社のドアをノックすらしてくれません。どの会社も欲しがる魅力的な人は、実は中途採用市場に出てくることなく転職するケースも多いです。企業は、戦い方を変えなければなりません。
そのため、現在「会社都合の最適化」となっている部分を見直す必要があります。具体的には以下の3点を、候補者側の視点で変えていきましょう。
- 情報発信
- 選考の心理的ハードル
- 長期的な関係構築
情報発信を変える:転職時に思い出してもらえる会社に
企業は従来、自社の都合に合う人材を、現場の事情に合わせたタイミングで採用してきました。 しかし、それではDX人材を採用するには遅すぎます。
自社のターゲットとなる候補者が転職エージェントに接触したり、転職サイトに登録したりするよりも前に接触する必要があるのです。そうした候補者と、オフライン・オンライン両方の接点を持ち、自社を知ってもらうための活動をしておくことが、後に非常に大きな意味を持ってきます。
例えばエンジニア採用の場合、発信力のある社員による外部カンファレンスへの登壇や勉強会の主催、エンジニアブログを通じた技術広報などはターゲット候補者の自社への認知を高めます。「次に働くなら、この会社は面白そうだ」と想起してもらうための手段です。
製造業、非製造業を問わず、エンジニアの仕事選びにおいては、企業規模や条件などのスペック面だけではなく、候補者が関心を持っている技術コミュニティーへの貢献や働き方など、定性的な価値への共感・憧れが行動を左右しがちであることも見逃せません。
SNSや動画サイトなど、情報に触れるチャネルが多様化し、情報発信のコストも下がっています。受け手によっては、「中の人」が語るより、発信者の顔が見える情報の方が信頼されます。
ターゲットはどこにいる?
マーケティングの世界では、「少なくとも3つの異なる場所でその情報に触れさせなければ、ブランド認知にいたらない」という鉄則があります。採用の情報の発信においても「ターゲットがどこにいるか」を考えて、そこから情報発信をしなくてはいけません。
そこで、着手するハードルが最も低く、メリットが大きいのがSNSとブログです。しかしやみくもに始めればいいというものでもなく、「採用ターゲットがどの年代のどんな人たちで、普段どんな情報に接しているのか」を細かくイメージした上で、チャネルを選択する必要があります。
同じSNSでもFacebook、Twitter、Instagramではユーザーの属性が異なるため、採用ターゲットに近い社員の関心事や情報収集パターンについて社内でヒアリングをすると誤差が少なくなります。例えば若手デザイナーは、日常的にInstagramでどんな写真にいいねをしているか、営業リーダーは最近、どんなニュースをシェアしたのか──などをヒアリングしてみると良いでしょう。
続いてブログです。これはSNSでの短文投稿に比べ、より執筆の手間が掛かります。しかし、ブログ記事はSNSでは構築しづらい資産を築けます。その後の採用のあらゆる場面で活用できる資産です。
記事のストックがあると、検索流入なども期待でき、SNSではリーチしきれなかったターゲットに届く可能性を上げられます。候補者への提案資料としても有用で、気になる人材をスカウトする際、人材にマッチする記事を初回メッセージに添付できます。気になる人物の成長につながるような内容についての記事、活躍を期待している記事を送ることで志望度を高められます。
最後に、勉強会の主催やイベント登壇などで自社の情報を発信していくことも認知拡大に有効です。最近ではオンライン開催が多くなっていますが、オフライン開催ならイベント後の懇親会などを通し、自社のことを知らなかった人に直接話ができる機会を得られます。
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