リモートワークであぶり出される「ダメな上司」の典型例(1/3 ページ)
リモートワーク下で、うまくマネジメントができず指導力のなさが露呈してしまう管理職が少なくない。リモートワークであぶり出される「ダメな上司」の典型例とは──?
コロナ禍を契機にリモートワークが拡大してからおよそ2年半が経過した。コロナが収束しない状態が続く中、リモートワークを継続している企業もあれば、社員に出社を促す企業もあり、企業の方針が分かれている。米テスラCEOのイーロン・マスク氏が「毎週、最低40時間オフィスで働くのが嫌だという者は、他の就職先を探すべきだ」と、社員に出社を促すメールをしたことも波紋を呼んだ。
一つの企業内でも、リモート志向派と出社派に分かれることがある。
現在週3日以上の在宅勤務を推奨しているサービス業の人事部長は「週2日程度出社している社員もいるが、テレワークだと社員の動きが見えないのでリアルで仕事をしたほうが成果も上がるという、イーロン・マスクのような考えの年配の管理職もいる。だが、現時点では経営陣は効率よく仕事ができれば在宅勤務でよいとの考えだ」と語る。
出社派のマネジメント層の中には、対面時代に比べてコミュニケーションが少なくなり、仕事の効率や生産性が落ちるとの不満もある。
しかし、会社がリモートワーク体制を維持する以上、リモート下のマネジメントによって仕事の効率を高め、生産性を高める必要がある。
それができない管理職は失格だ──と語るのは、通信事業会社の人事担当役員だ。
「コロナ前の対面の時代でもマネジメントがうまくできる人、できない人がいた。リモートワークになった以上、どうやって部下を納得させてマネジメントしていくのか、自分なりに真剣に考えなければいけない。対面時代もあまり考えていなかったが、リモートワークになったとたん、指導力のなさが露呈してしまった課長もいる。部下のパフォーマンスをどうすれば上げられるのか、管理職一人ひとりが真剣に考えて行動しない限り、管理職の役割を果たすことはできない」
リモートワークならではの問題をどう解決するか?
もちろん企業もコミュニケーション不足など、リモートワーク特有の問題に対応しようとしている。コミュニケーション不足の解決策としてWeb上の雑談を増やしたり、メンタル対策の強化を行っている企業もある。また、社員の働く姿が見えないという課題を解決するために人事評価制度の見直しに着手する企業もある。
電子機器メーカーの人事担当者はコミュニケーション不足対策についてこう語る。
「チームの生産性には、コミュニケーションが重要であることに気付き始めた現場もある。例えばオンラインによるランチ会をしたり、朝夕礼時に積極的に雑談したりと、あえてコミュニケーションの時間を確保しようとする取り組みもあり、会社としても推奨している。
一方、コミュニケーションロスによる孤立感を訴える声も上がっている。マネジメントがそうした部下をケアするように全社として対応している。社内ポータルサイトにWellbeing(ウェルビーイング)特集を掲載するなどして、心理的安全性を確保するための仕組みづくりも行っている」
しかし、会社がやることには限界がある。やはり問われるのは現場の管理職のマネジメント力だ。
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