「失敗のない人生は面白くない」 リアル“オールドルーキー”が話す「やりたいことがない人」の育て方:異才を見いだす「育てるマネジメント」(3/4 ページ)
元吉本興業敏腕マネジャーが、ドラマ「オールドルーキー」のモデルであるスポーツバックス代表取締役澤井芳信さんにマネジメント術を聞く。
やりたいことがない人にはやりたいことを問い続ける
佐藤: “壁打ち相手”がいたから見つけられたのかもしれません。僕は10代の前半には「エンタメ業界でプロデューサーをやる」という夢を持っていて。その夢を自覚するきっかけが、学校の先生だったんですね。定期的に「佐藤は将来何をやりたいんだ?」って問いかけてくれたから、早くから意識してやりたいことを考えられました。やりたいことがまだ見つかっていない人は、これまで夢や目標を聞いてくれる人が周りにいなかったのかもしれませんね。
やりたいことがなくて仕事へのモチベーションがあがらない部下がいるなら、「やりたいこと」を何度も問いかけてみてください。たとえ今はなくても、これまでの過去を振り返ったら何かをしててテンションがあがった場面は誰にでもあると思います。それがやりたいことのタネになるはず。その結果、「今の会社だとやりたいことができない」という結論が出たとしても、部下の人生においてはハッピーな発見に間違いありません。
澤井: あとは、選択肢が狭くてやりたいことが見つからない場合もありますよね。やりたいことが見つからなくて悩んでいる部下がいるなら、選択肢を広げる手段として、本を読むとか、人と会うことを勧めてみるのもいいかもしれません。
僕の会社は現在新卒採用は行っていないのですが、「スポーツに関わる仕事がしたい」という学生から連絡をもらうことがあります。その場合は、採用面接はできないけど会うようにはしているんです。そこで、スポーツに関わる仕事はたくさんあること、僕の会社は選択肢のひとつでしかないことを伝えています。そうすると、「自分の本当にやりたいことはなんだろう、それができる場所はどこなんだろう」と真剣に考え始めるんです。
「夢ややりたいことがない」人がチームにいるのなら、やりたいことは何か問い続けること、そして選択肢を提示することがマネジメントの第一歩となりそうですね。夢ややりたいことが見つからなくても、見つけるための小さな努力や工夫はできると思うんです。悩んでることに悩まないように。
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