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海外D2Cブランドが、日本で朝のラジオ番組のパーソナリティーを務めるワケヒントは顧客体験(2/3 ページ)

東京・原宿に店舗を構えるサンフランシスコ発の靴のD2Cブランド「Allbirds」は、なぜ日本で朝のラジオパーソナリティを務めるのか? その理由は、顧客体験の観点から説明できるという。

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ポップアップストアの顧客体験に必要なのは、「商品知識のある接客」

――AllbirdsやFABRIC TOKYOもそうですが、最近はD2Cブランドが実店舗を展開するケースが増えているように感じます。D2Cは大手の流通チャネルを持っていないことが、「集客力」の観点で弱みとして言われています。その点を補う目的で実店舗を展開しているのでしょうか?

郡司氏: 「新規顧客の認知向上」「Preference(選好性)の向上」という目的があると思います。選好性とは複数のブランドがある中で選ばれやすくなる状態を指します。まず、認知されなければ選好性も得られないので、そのための手段として実店舗を展開する。その上で、選好性を高めるために特別な体験を提供する必要があります。

――認知という視点で考えると、ポップアップストアのような期間限定の店舗も有効でしょうか?

郡司氏: D2Cブランドがポップアップストアを展開するケースは増えていると思います。その際に重視すべきなのが、「商品知識のある接客」です。ありがちなのは、期間限定だからといってスポット採用したアルバイトに接客を任せてしまうケース。これだとお客さんからの質問に的確に答えたり、商品の魅力を正しく伝えたりすることができません。接客スタッフが不在で商品とタブレットを並べているだけのポップアップストアもたまにありますが、触るだけで魅力が伝わるような画期的な商品でなければ難しいのではないでしょうか。


b8ta Japanのポップアップストア ※写真は福岡ソラリアプラザ1階で展開予定のもの(画像:b8ta Japanプレスリリースより)

 体験型店舗の有名な事例ではありますが、b8ta Japanは取り扱う商品に関する知識を、店舗スタッフに対してかなり丁寧に教えています。体験型店舗の本来の目的は、ブランドにとって「理想的な形」でユーザーに商品を体験してもらうことです。だからこそb8taの店舗スタッフは、お客さんからのどんな質問にも回答できますし、お客さんからの商品に対するフィードバックをブランドに伝えて改善のアドバイスをすることもできるのだと思います。

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