なぜ「GoPro」のサブスクは人気なのか 200万人が加入している秘密:新機種が登場(3/5 ページ)
GoProのサブスクが人気を集めている。全世界で加入者は200万人を超えているが、その背景に何があるのだろうか。取材したところ……。
全世界で200万人が加入。サブスク収益は前年比71%増
22年8月には、サブスクの加入者が200万人に到達。山下氏は「サブスクの売り上げは、年間1億ドル(約145億円)ほどの経常収益に相当し、利益率が70〜80%と高い」と話す。
「サブスクは、カメラ以外の価値をユーザーに提供すると同時に、ビジネスの安定化を図る戦略として、うまく機能していると思います。カメラを売って終わりではなく、購入後もユーザーとつながりながら収益を生む。それが、当社がサブスクに大きくかじを切った理由です」(山下氏)
サブスクの会員数が順調に伸び、事業成長につながっていることは、GoProの22年第2四半期(4〜6月)の結果にも表れている。サブスクの収入は前年同期比で71%増、キャッシュフローは258%増となった。
GoProのようなサブスクサービスを取り入れているカメラメーカーは、山下氏が知る限りでは世界でも見当たらないという。ネット上で調べてみても、日本ではGOOPASS(グーパス)やCAMERA RENT(カメラレント)といった、カメラやレンズを定額で利用できるサービスばかりだ。
ユーザーがサブスクに加入する背景を尋ねると、「魅力を感じるポイントは人それぞれかもしれない」と山下氏
「私の推測ではあるのですが、カメラの割引も適用されるため、GoProのヘビーユーザーでなくても加入する人は一定数いると思います。ヘビーユーザーにとっては、無限のクラウドストレージ、カメラの保証サービス、機能的な編集ソフトも大きな魅力となるはずです。具体的な数字は公表していませんが、継続率は当初の想定より高いですね」(山下氏)
GoProが株主向けに公表した22年8月の資料によれば、GoProの公式サイト経由でカメラを購入した約95%、店舗経由で購入した約33%がサブスクに加入している。
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