2015年7月27日以前の記事
検索
連載

ファンが地方鉄道を支援、今後はサブスクも? 鉄道系クラファンの新潮流杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/6 ページ)

大井川鐵道が、蒸気機関車を完全修復し、本線を走らせるために、1億円のクラウドファンディングを開始した。近年、鉄道事業者による車両の動態保存を目的としたプロジェクトが増えている。この仕組みを使って、既存の保存車両の修繕プロジェクトをつくれないだろうか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

鉄道系クラウドファンディングの傾向

 私が初めて支援したクラウドファンディングは15年3月25日にスタートした「47年間愛されて引退した北海道初の電車『赤電』を残したい!」だ。知人の呼びかけに乗った。このプロジェクトを紹介する記事が本連載の第1回だ。

【関連記事】クラウドファンディングで鉄道遺産を守れ!(15年4月3日の本連載)

 このプロジェクトは目標金額234万円に対して、471人から412万9000円を集めた。当時はこの数字だけでも「よく集まったなあ」と驚いた。このプロジェクトがきっかけで、鉄道文化遺産をクラウドファンディングで、というチャンネルが大きく開かれたと思う。


成果を見届けるため、岩見沢の現地へ。レストラン「大地のテラス」の敷地にある。シュラスコがうまい

支援者の返礼として、車内のプレートに名前が載った。それを確認するために現地を訪れる。鉄道系クラウドファンディングの良い形だと思う

 赤電プロジェクトのあと、廃車となる鉄道車両を引き取って保存したいというプロジェクトがいくつか立ち上がった。募集金額も「費用の一部」から「費用の半額以上」を目指す傾向になった。ただし、個人や任意団体で「ほぼ全額募集」の成功率は低い。それは支援ではなく「肩代わり」だ。私的な趣味の目的だと共感を得られず、支援者がつかない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る