仕事はデキるが、部下はげっそり──「精神的パワハラ」を繰り返す上司はなぜ生まれるのか?:パワハラ=体育会系だけではない(1/4 ページ)
「舌打ちされたことがショックで1日中仕事になりませんでした」――こう話すのは、中堅メーカーの総務部に勤める黒川さん(仮名、22歳女性)です。黒川さんは大学を卒業後、新卒として現在の会社へ就職しました。
「舌打ちされたことがショックで1日中仕事になりませんでした」――こう話すのは、中堅メーカーの総務部に勤める黒川さん(仮名、22歳女性)です。黒川さんは大学を卒業後、新卒として現在の会社へ就職しました。
パワハラの定義
厚生労働省では、パワーハラスメント(パワハラ)とは、「職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」と定義しています。まずは具体的に見ていきましょう。
(1)職場内での優位性を背景にしているか?
分かりやすいものでは上司から部下への言動で、逆らえば評価に影響するなどの心理的圧力がこれにあたります。上司からに限らず、特殊なスキルを持った部下による言動や、同僚や部下による集団の言動など、業務上に支障を来すため逆らえないような状況下での言動もこれに該当します。
(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動か?
世間一般に「業務上その言い方はするよね」というものであれば、パワハラとは考えにくいと言えます。業務指導をしているはずなのに、業務とは関係のない命令や指導をするとパワハラとなります。例えばミスに対して謝罪を求めるのは問題ありませんが、他の社員全員への謝罪や、土下座の強要となると業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動となるでしょう。
(3)職場環境を害されたか?
一連の言動により人格を否定したり、大声で怒鳴ったり、ネチネチと叱責を繰り返したりなど、恐怖を感じさせる行為。その他、無視をする、能力に見合わない仕事を押し付けるなど、就業意欲を低下させるような言動も該当します。
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