上司に大激怒される「悪い残業」と評価される「良い残業」 その違いとは?:プロが解説(1/4 ページ)
「残業しただけなのに怒られるなんて思ってもみなかったです」――納得がいかないと愚痴をこぼすのは、とある出版社で営業をしている佐藤さん(仮名、30歳男性)です。
「残業しただけなのに怒られるなんて思ってもみなかったです」――納得がいかないと愚痴をこぼすのは、とある出版社で営業をしている佐藤さん(仮名、30歳男性)です。
残業って何?
残業は時間外勤務や時間外労働と言う場合もありますが、いずれにしても意味は同じで、所定労働時間を超えて仕事をすることを指します。例えば、始業時刻が午前9時で終業時刻が午後6時の勤務であれば、午後6時以降に仕事をすると“残業”している状態になります。また、始業時刻である午前9時前に出社をして仕事をすると、仕事を始めた時刻から午前9時までの時間をいわゆる“早出残業”と言います。
なお、残業は法定内残業と法定外残業に区分することがあります。法定内とは、労働基準法に定められている労働時間以内であること。一般的には1週間40時間、1日8時間の範囲内におさまる時間の残業のことを指します。例えば、始業時刻午前9時で終業時刻午後5時(休憩1時間)であれば、1日の所定労働時間は7時間です。この場合、午後6時までの残業であれば8時間以内なので法定内残業となるのです。そして、午後6時を超えて残業をするとそれ以降は法定外残業となるわけです。
残業と割増賃金
法定内残業と法定外残業を区分する理由は、割増賃金と関係があります。法律上、法定内残業であえば賃金を割増す必要はないのですが、法定外になれば最低でも2割5分増しで支払わなければいけません。例えば時給1000円の人が残業をした場合、法定内であればその時間は1000円ですが、法定外であれば最低でも1250円を支払う必要があるということです。
このように、賃金計算を分かりやすくするために残業を区分して管理しているのです。ちなみに、「終業時刻を超えて労働した場合は2割5分増しの残業手当を支払う」という風に規定している就業規則をたまに見かけることがあります。このケースでは、例え1日の労働時間が8時間を超えていなくとも、終業時刻以降の残業には割増賃金を支払わなくてはならないのです。今一度、就業規則を確認してみましょう。
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