かつては過激だったドンキの「コスプレ商品」に驚きの変化 担当者が語った“カワイイ”デザインの秘密:ハロウィーン商戦(3/4 ページ)
コロナ禍の影響で、ドン・キホーテのコスプレ商品のニーズに変化が見られるという。かつては過激な商品もあったが、開発時に重視する点も変化している。
コロナ禍で環境が激変
かつて、ハロウィーンになると、東京・渋谷のスクランブル交差点やセンター街に仮装姿の若者が大量に押し寄せていた。MEGAドン・キホーテ渋谷本店でも、さまざまなコスプレ関連商品を販売し、大きな売り上げをあげていた。
記者は4年前、ハロウィーン本番の夜に渋谷本店を取材したことがある。店舗の入口付近は多くの若者や外国人でごった返しており、仮装した人が店内から夜の街に繰り出していく姿が印象的だった。渋谷本店ではコスチュームを購入したお客に更衣室を提供して、店内ではコスプレ関連商品が飛ぶように売れていった。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、状況は大きく変わった。各地でリアルイベントが中止となり、大人数で集まる機会が激減。イベントを自粛する動きが広がったため、ドンキのコスプレ商品も売り上げが大きく落ちた。
矢野経済研究所が実施した「オタク」市場に関する調査によると、感染拡大による外出自粛が要請された結果、20年度にはホビー関連4分野である「プラモデル」「フィギュア」「鉄道模型(ジオラマ等周辺商材含む)」「トイガン」の市場規模は前年を上回った。これらは、自宅で楽しめる趣味というのが背景にある。一方、約350億円だったコスプレ衣装の市場規模は、20年度には240億円に減少。21年度も260億円と本格的には回復していない。
ただ、「コスプレを楽しみたい」「少人数で集まってワイワイしたい」といったニーズ自体は消えたわけではなかった。飯山氏によると、カラオケ店の個室に少人数で集まってコスプレを楽しむ、YouTuberやTikTokerといった動画配信を手掛ける人が着用するといった利用シーンが目立つようになってきたという。
同社でも、21年までの2度のハロウィーン商戦では、オンラインやおうちパーティでの利用を想定し、全身仮装のコスチューム商品は控えめにしていた。そして、上半身や顔まわりを飾るメーク、カチューシャなどを強化して対応した。
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