鉄道の日に公開された「150年前の乗換検索」 想定以上の反響に有志チームが“うるうる”した「もう1つの理由」:完成までの舞台裏(3/4 ページ)
鉄道開通当時の乗り換え家案内を検索できるサービスが10月14日の「鉄道の日」にあわせて公開され、話題になった。大きな反響に、ジョルダンの有志チームは「うるうる」するほど嬉しかったという。それには完成までの2カ月半の苦労と、ある事情が関係していた。
リリース当日は通勤途中のユーザーをターゲットに、午前7時半から8時頃に順次、アプリのプッシュ通知を送った。その時点で一気にTwitterなどで拡散されていった。
「その日は通常業務はやめて、一日中インターネットやメディアのさまざまな反応を見ていました。もともとマスコミ各社が鉄道の日に向けたニュースなどを報じており、既に一般的な話題となっていたところに発表した企画だというのも大きかったかもしれません」(橋浦氏)
鉄道の日という話題と絡めて報じやすかったのだろう。ネットメディアやテレビのニュース番組でも取り上げられた。
普段はクレーム対応ばかり 反響に「布団の中でうるうる」
「コアな鉄道ファンがニヤけてくれるかな、という当初の想像をはるかに上回り、鉄道や旅を愛する幅広い人に届きました」と、橋浦氏は喜びを語る。
チームの面々が、ここまで喜びを感じるのには訳があった。提案者の橋浦氏は、通常業務では運用部CS推進グループのリーダーを務める。この部署に対して顧客からの声が届くとき、そのほとんどはクレームだ。
「ユーザーの方にとって、乗換案内はインフラと化しているので、あって当然のもの。『ありがとう』の声を生で感じることはほとんどありません。普段は意見を言わないユーザーがコミュニケーションしてくれることで、多くの方に支えられているサービスだと再認識しました」(橋浦氏)
企画のSNS担当である野口氏は当日の朝、反響を確認して「布団の中でいいねを押しながら、うるうるしていた」という。野口氏も、橋浦氏と同じCS推進グループの所属だ。
「いつもはクレーム対応が主なので、その日1日は『サービスをこんなに愛してもらっているんだ』と幸せな気持ちでした」(野口氏)
結局、14〜17日の公開後3日間で得たアクセスは約46万PVを記録。「盛って」算出していた目標値の4.6倍という数値は、想像もしていなかったという。社内でも当然話題となり、その反響は社長の耳にも届いていた。
「(金曜日に公開し、土日を挟んで)週明けすぐの会議で社長の佐藤に報告したところ、その場で『公開を継続しろ』と言うんです。本来は17日以降は大々的にリンクを貼ることはやめる予定でしたが、当面の間は継続することになりました」(橋浦氏)
ユーザーからも社内からもおおむね評判だったものの、耳の痛い指摘もあった。
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