鉄道の日に公開された「150年前の乗換検索」 想定以上の反響に有志チームが“うるうる”した「もう1つの理由」:完成までの舞台裏(4/4 ページ)
鉄道開通当時の乗り換え家案内を検索できるサービスが10月14日の「鉄道の日」にあわせて公開され、話題になった。大きな反響に、ジョルダンの有志チームは「うるうる」するほど嬉しかったという。それには完成までの2カ月半の苦労と、ある事情が関係していた。
「1872年10月14日の乗換情報」として、始発から終電まで何本かの情報がヒットするが、実はこれは史実とは異なる。150年前の「鉄道の日」に蒸気機関車が走ったのは新橋〜横浜間の1本のみで、複数本の汽車が走り出したのは翌15日以降のことだ。一部のユーザーからミスではないかと指摘されたが、実はあえて事実とは異なる仕様にしていた。
「14日に公開するのに日付表示を15日にしてしまうと、コアなファン以外の多くの方にとって違和感があります。このため、一般に定着している認識を優先させました」(橋浦氏)
“時間”と“幅”が広がった
こうして分かりやすさを重視し、間口を広げる姿勢が企画の成功に寄与したのではないかと橋浦氏は分析している。やろうと思えば、当時に寄せて作り込むことはどこまでもできる。しかし、マニアだけをニヤッとさせる詳しさを優先しても、多くの一般の人には分かりづらくなる。このバランスが大事だった。
この企画を通じて、新たな発見もあったという。
「顧客接点の時間と幅が広がる機会でした。普段、乗換案内は電車を調べたいときにだけ触るものです。サービスに触る時間、楽しむ機会の幅が広がったと考えています」(中山氏)
今回の反響と共に、多くのユーザーから「150年前に限らず、過去の乗換検索を作ってほしい」という要望が届いているそうだ。取り組む予定はないのだろうか。
「過去の乗換検索は今回ほど簡単ではありません。それだけの情報量を再現するのはパワーを必要とします。しかし、ファン向けに昔の時刻表が復刊したり、中古市場で出回っていたりと、ニーズがあることは把握しています。データ化の壁さえ超えられれば、検討できるのではないかと思います」(橋浦氏)
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