社内の“違法なヒミツ”を知ってしまったら──内部通報者を守る「公益通報者保護法」、改正でどう変わった?:2022年6月施行(5/6 ページ)
自分の会社で違法なことが行なわれている。もしあなたがそうした事実を知ったとき、どうするでしょうか。違法行為は通報すべきですが、それが原因で自分が解雇されるかも……と考えると通報を躊躇(ちゅうちょ)するかもしれません。そんなときに内部通報者を守るのが「公益通報者保護法」です。
会社としてはこんな対策を講じよう
ガイドラインでは、通報体制の整備として、以下の措置をとらなければならないとしています。繰り返しになりますが、労働者数300人以下の企業であっても通報体制の整備を行うことが、結果的にはリスク回避につながるため、自主的に整備を行うべきでしょう。
(1)通報窓口の設置
通報窓口を設置し、内部通報を受け、調査し、是正に必要な措置を取る部署と責任者を明確に定める必要があります。具体的には、通報対応業務の担当部署に調査権限を認めること、必要な人員・予算等の割当を行うことなどが考えられます。
(2)独立性の確保
通報窓口で受け付ける内部通報の対応業務に関して、役員やその他幹部に関係する事案については、これらの者からの独立性を確保する措置を取ることが必要となります。
具体的な措置として、通報内容を社外取締役や監査役などの監査機関にも報告を行うようにする、社外取締役や監査機関からモニタリングを受けながら通報対応業務を行うなどの方法が考えられます。
(3)適切な通報対応業務
内部通報を受けた場合、原則として必要な調査を実施する必要があります。そして、調査の結果、法令違反行為が明らかになった場合には、速やかに是正措置をとらなければなりません。
例えば、必要に応じ関係者の社内処分を行うこと、関係行政機関への報告することなどが考えられます。また、是正措置をとった後に、是正措置が適切に機能しているかを確認することも重要です。
(4)利益相反者の排除
通報事案に関係する者(利益相反者)を通報対応業務に関与させない措置を取ることが必要になります。通報を受け付けた時点では利益相反者であるか判明しない場合には、利益相反者であることが判明した時点で速やかに通報対応業務から除外することが必要になります。
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