債務超過で「突然の経営危機」──GMO安田CFOが、乗り越えられた理由:対談企画「CFOの意思」(1/5 ページ)
「CFOの意思」第6回の対談相手は、前編に引き続きGMOインターネットグループ副社長兼CFOの安田昌史氏。過払い金問題で「280億円で買った会社を、500万円で売る」危機に陥っても、会社を成長させられたのはなぜか? 撤退覚悟の状況で繰り出した「ウルトラC」の技とは?
連載:対談企画「CFOの意思」
ベンチャーの成長のカギを握る存在、CFO(最高財務責任者)。この連載では、上場後のスタートアップの資金調達や成長支援を行うグロース・キャピタルの嶺井政人CEOが、現在活躍するCFOと対談。キャリアの壁の乗り越え方や、CFOに求められることを探る。
「CFOの意思」第6回の対談相手は、GMOインターネットグループ副社長兼CFOの安田昌史氏。過払い金問題で「280億円で買った会社を、500万円で売る」危機に陥っても、会社を成長させられたのはなぜか? 撤退覚悟の状況で繰り出した「ウルトラC」の技とは?
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「インターネット革命」の衝撃──時給1000円のアルバイトでジョイン
嶺井: まずは、GMOに入るまで、またGMOに入ってからの経歴を教えていただけますか。
安田: 大学を卒業して公認会計士2次試験に受かり、KPMGセンチュリー監査法人(現あずさ監査法人)に4年くらいいました。金融機関の監査やM&Aのデューデリジェンスに携わり、その後、2000年3月に、前職KPMGの元同僚(当社現常務の新井)の紹介で現グループ代表の熊谷に初めて会いました。
会うやいなや、「一緒にインターネット革命に参加しよう」と握手をされ、その勢いに圧倒されて、「明日からアルバイトで来ます、時給1000円でいいです」と答えました。それから昼間は監査法人で仕事をして、アフターファイブはアルバイトで働き始めたのが、当社での最初の時期でした。
嶺井: 熊谷社長には、転職活動の一環で会われたのでしょうか。
安田: そうですね。実は、会計士になった理由は独立したかったというものでした。自営業として手に職をつけるとしたら何がいいだろうと考えていたんです。
当時は30年前。あまり起業を選択肢に入れる人もおらず、自分も入れていなかった。ただ、会計士の親戚がいたので、士業なら身を立てられると思い、会計士の資格を取り監査法人に入社したという経緯があります。監査法人での仕事は、それなりに充実していましたが、早いうちから独立の修行をするか、事業会社に行きたいと考えていたという背景があります。
しかも、熊谷に会った00年は、インターネットバブルといわれていた時代。自分もそういうところに飛び込んでみたいと思っていたタイミングでした。
嶺井: 大学は法学部でしたよね。それでも会計士を目指したのは、やはりご親戚に会計士の方がいらしたからですか。
安田: そうですね。想像しやすかったですし、身内にいると「自分も受かる」と錯覚しがちですし(笑)。ゼロから挑戦してもいいかなと考えたというのもありました。
結果として、会計や会社法など、上場企業の経営にとって必要なことをきちんと学べたのはとても良かったなと思います。
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