債務超過で「突然の経営危機」──GMO安田CFOが、乗り越えられた理由:対談企画「CFOの意思」(2/5 ページ)
「CFOの意思」第6回の対談相手は、前編に引き続きGMOインターネットグループ副社長兼CFOの安田昌史氏。過払い金問題で「280億円で買った会社を、500万円で売る」危機に陥っても、会社を成長させられたのはなぜか? 撤退覚悟の状況で繰り出した「ウルトラC」の技とは?
当時最短の「設立364日で上場」プロジェクト
嶺井: 00年3月にアルバイトという形で入社され、02年の3月には取締役になられていますね。
安田: はい。5月には監査法人を辞め、経理部員として、開示実務・連結決算準備、グローバルオファリングなどに携わり始めました。
すでにJASDAQに株式公開していたGMOインターネットグループが、第1号の連結会社まぐクリックを設立後364日で上場させるというプロジェクトを、アルバイト中は手伝っていました。ちなみに当時のまぐクリック社長は現在グループ副社長の西山裕之でした。
結果的に、当時としては最短で、00年9月5日に上場しました
嶺井: 本当に一番忙しいタイミングでジョインし、仕事をこなされていたんですね。
安田: そうですね。01年ぐらいから仲間づくり……GMOインターネットグループではM&Aではなく仲間づくりと呼んでいますが、その戦略を加速させ始めていました。理由は、会社法が改正され、株式交換ができるようになったから。株で仲間づくり(M&A)できるのは一つの武器です。それで、毎月のように株式交換、グループジョインしている、という状況でした。
嶺井: かなり先進的ですよね。今であれば、ベンチャー企業がM&Aを積極的に行っていますが、20年前でこの件数をM&Aしていた会社はかなり少なかったです。
安田:そうですね。そういうこともあり、02年3月に常務取締役にしていただき、IRなどのCFO業務に携わるようになりました。その後、04年2月に東証2部上場、05年6月にはGMOインターネットグループとして上場イベントの仕上げとなる東証1部への指定替えが行われました。ここまで本当に一気に駆け登った感がありました。
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