転職活動で勝ち抜くために 数字・名詞・エピソードで作る“強みの方程式”:1社ずつ狙いうつ(3/3 ページ)
企業から選ばれる「強み」とはどういうものなのか、どのように見つけるのかを、人事・戦略コンサルタントの松本利明さんに聞く。
現在進行形からの未来へのアピール
――経験や実績が弱いな……と思うときはどうすればいいですか?
松本: 面接や転職の期間中に、できる範囲で経験や実績を作ればいいのです。過去形で言うだけでなく、「半年でTOEIC800点になりました。残り半年で900点目指して頑張ります」といったような、「今取り組んでいます、頑張っています」という現在進行形からの未来へのアピールはアリです。盲点に思われるかもしれませんが、過去やってきたことを踏まえて未来の話をしない人が多すぎます。
また、周囲からどんな「ありがとう」の声をかけてもらったかをアピールする方法もあります。「ありがとう」の声はその人の提供価値です。同じ事務の仕事をしていても、「いつも正確でありがとう」「いつも早くてありがとう」「気を使っていただいてありがとう」と、人によって「ありがとう」の意味は違います。自分がかけてもらった「ありがとう」が、どんな「ありがとう」だったのか、その内容を掘り下げましょう。
「ありがとう」は組み合わせてアピールすることもできます。「早くて正確でありがとう」「早くて正確で気を使ってくれてありがとう」といったように、1つずつのエピソードが弱くても、組み合わせることで強くなります。細かいエピソードも思い出して、相手が何を欲しているか見極めて、最適になるように組み合わせましょう。
松本利明(まつもと・としあき)
人事・戦略コンサルタント。
HRストラテジー 代表。日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員。
外資系大手コンサルティング会社であるPwC、マーサー、アクセンチュアなどのプリンシパル(部長級)を経て現職。国内外の大企業から中堅企業まで600社以上の人事の改革に従事し、5万人のリストラと6500人を超える次世代リーダーの選抜や育成を行った「人の目利き」が持ち味。最近は企業向けのコンサルティングに加え、「誰もが、自分らしく、活躍できる世の中」に近づけるため、自分の持ち味を生かしたキャリアの組み立て方を学生、ワーママ、若手からベテランのビジネスパーソンにライフワークとして提供し、好評を得ている。
著書に、『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『稼げる人稼げない人の習慣』(日経新聞出版社)、『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)など、ベストセラー多数。英国BBC、TBS、日本経済新聞などメディア実績多数。講演実績多数。
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