「前の会社の方が良かった……」 何度も転職に失敗する人の共通点とは?:“沼る”ビジネスパーソンの共通点(1/3 ページ)
次々と転職を繰り返し、キャリアアップの名のもとに行き先の見えない“転職沼”に足を突っ込んでしまう人たち。同じ失敗を繰り返すのは、どんな人たちなのか。人事・戦略コンサルタントの松本利明さんに話を聞いた。
“沼る”ビジネスパーソンの共通点
「沼に足を取られたように、なかなかスランプから抜け出せない」「考えすぎてつらい……」。そんな時、どのように対応すべきなのだろうか。仕事上で起きがちな事例を基に、“沼”から抜けだすヒントを考えてみたい。
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マイナビが3月25日に発表した「転職動向調査2022年版」によると、2021年の20〜50代男女の転職率は過去6年間で最も高く7.0%だった。
経験転職回数を見ると、「1回」(26.8%)が最も多いが、その割合は年々減少している。一方、「2〜3回」の割合は増加傾向にあり、21年は約半数を占めた。
しかし、1回転職するとハードルが下がってしまい、次々と転職を繰り返す人もいる。キャリアアップの名のもとに行き先の見えない“転職沼”に足を突っ込んでしまい、気付けば「前の会社が良かった」「新卒で入った会社が一番良かった」というような転職弱者になってしまうのだ。同じ失敗を繰り返すのは、どんな人たちなのか。人事・戦略コンサルタントの松本利明さんに話を聞いた。
転職へのハードルが下がると……
――次々と転職を繰り返し、気付けば転職弱者になってしまう人にはどんな特徴があるのでしょうか?
松本: 「今の環境が嫌で辞めていく」という特徴があります。特に上司とそりが合わない、先輩とうまく付き合えないなど人間関係や、「周りがバカばっかりで使えない」「自分はこんなに優秀なのに認められない」など評価されないことに不満を感じる人が多いです。
まず人間関係が嫌になったケースですが、多くの人が心機一転転職した先でも、不思議なことに同じようなトラブルを抱えてしまう。なぜかというと、こうした問題は自分自身が変わらないと解決しないからですね。
上司や同僚とどう接すれば自分が楽に仕事ができるようになるか、そのことを学び乗り越えなければ、たとえ転職しても同じような問題に直面します。
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