「お先に失礼します」が言いにくい職場 残業がなくなる方法は?:蔓延る“義務的チームワーク”(1/4 ページ)
「何かと“チームワーク”といわれるので帰りづらいです」――こう話すのは、あるベンチャー企業に勤める松本さん(仮名、23歳男性)。松本さんの会社の社長は何かにつけてチームワークを重視しており、職場の雰囲気として“帰りづらい”が蔓延しているそうです。
「何かと“チームワーク”といわれるので帰りづらいです」――こう話すのは、あるベンチャー企業に勤める松本さん(仮名、23歳男性)。松本さんの会社の社長は何かにつけてチームワークを重視しており、職場の雰囲気として“帰りづらい”が蔓延しているそうです。
残業の仕組み
残業とは、労働契約で決められた始業時刻から終業時刻以外の時間に勤務をすることです。そして、残業は形式上、会社が社員に対して”命じることができる”という契約になっていることが一般的です。読者の皆さんの契約がどうなっているのかを確実に確認するには(1)就業規則、(2)労働条件通知書(雇用契約書)、(3)36協定届で確認する方法があります。
(1)就業規則
労働者が10人以上いる会社であれば作成義務があります。就業規則には、その会社に勤めている労働者の労働条件が記載されています。その中に所定労働時間や始業時刻、終業時刻、休憩時間なども確認することができるのです。
就業規則は労働者にとって非常に重要なルールブックなので、作成義務のある会社にお勤めであれば(10人未満でも就業規則を作成している会社もあります)、労働時間に限らずその他の諸条件も含めて確認しておくことをお勧めします。
(2)労働条件通知書(雇用契約書)
会社は労働者を雇い入れる際には必ず明示しなければならない事項があり、その中でも労働時間や休日、給与など特に重要な事項については労働者に個別に書面で明示しなければならないとされています。会社全体のルールではなく、ご自身が適用される労働時間や残業の有無を確認することができます。
(3)36協定届
36協定届は、残業時間の上限時間や残業を命じることができるケースなどが記載されています。これを労働基準監督署長に届け出ることにより法定労働時間を超えた残業を命じることができるようになります。ご自身の1日の残業時間や1カ月の残業時間、1年間の残業時間の上限時間を確認することができます。
ただし、あくまでも法定労働時間を超えて残業をさせる場合に必要な書類なので、残業が発生しない会社など必ずしも全ての会社が届け出ているわけではありません。なお、この届け出は社員にも周知しなければならないとされていますので、会社が法令を順守していれば容易に確認することができるはずです。なお、労働時間や残業時間については『上司に大激怒される「悪い残業」と評価される「良い残業」 その違いとは?』をご覧ください。
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