朝倉未来プロデュースのBreakingDown6がバズった理由 過激化に必要なリスクマネジメント:ストーリー追求とのジレンマ(1/5 ページ)
朝倉未来がプロデュースする「1分1ラウンド」で最強を決める総合格闘技エンターテインメント「BreakingDown」は、出場者のほとんどがアマチュアであるにもかかわらず、イベントとして独自の存在感を示している。その第6弾となる「BreakingDown6」が11月3日に開かれる。
2022年、格闘技ブームが再び訪れている。従来とは異なるビジネスモデルを取り入れるなど、これまでとは違うムーブメントである点が興味深い。
特に朝倉未来がプロデュースする「1分1ラウンド」で最強を決める総合格闘技エンターテインメント「BreakingDown」は、出場者のほとんどがアマチュアであるにもかかわらず、イベントとして独自の存在感を示している。その第6弾となる「BreakingDown6」が11月3日に開かれる。
オーディション動画は過去最速で累計1000万再生を突破するなど大きな盛り上がりを見せた。(敬称略)
切れ目のなく続いた格闘技イベント
今年は1放送ごとに課金をして視聴権を得るPPV(ペイパービュー)というビジネスモデルが、ボクシングや格闘技業界を沸かせている。
4月10日、ボクシングのゲンナジー・ゴロフキン対村田諒太のミドル級王座統一戦が『Prime Video Presents Live Boxing』の第1弾として放送された。ゴロフキンという殿堂入り確実なボクサーと、村田との闘いはファイトマネーだけで総額20億円を超えるといわれている。
日本ではそう簡単には見られない「ミドル級の統一戦」というカードだった。
それにもかかわらず、無料での地上波放送はされず、Amazon Prime Video(プライム・ビデオ)会員向けに追加料金なしでライブ配信され、大きな話題を集めている。
6月7日には井上尚弥とノニト・ドネアのバンタム級王座統一戦が、またもAmazon Prime Videoによって放送。地上波での放送はなく、スポーツを観戦するのに1戦ごとにお金を払う流れが加速した。
その極め付きは、6月19日に東京ドームで開催された那須川天心と武尊などが戦った「Yogibo presents THE MATCH 2022」だ。サイバーエージェントの藤井琢倫執行役員によれば50万人以上がPPVを購入し、用意されたシートは最も高いVVIP1列席で300万円、最も安いA席でも1万5000円だった。会場には5万6399人を動員。インフレによって社会が値上がりを許容するようになった風潮も、この価格設定をさせやすくした要因の1つだろう。まさに価格設定の概念を変えた大会だった。
これで一段落したかと思えば、9月25日には格闘技イベント「The Battle Cats presents 超(スーパー)RIZIN」で、プロボクシング元5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーと朝倉未来のエキシビションマッチが世間を沸かせた。11月1日には約10年ぶりの日本人同士の王座統一戦となる寺地拳四朗対京口紘人の戦いもPrime Video Presents Live Boxingの第3弾として放送されている。
12月31日の大みそかは、紅白歌合戦の他に「格闘技の日」として定着した感があるが、今年は「湘南美容クリニック presents RIZIN.40」で、米格闘技団体ベラトールと、日本のRIZINによる5対5の全面対抗戦が決まった。つまり、今年はほぼ切れ目のなく、格闘技の大きなニュースが続いている。
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