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東急「田園都市線」と「池上線」で決定的に“違う”こと:人気路線の戦略(4/5 ページ)
東急電鉄の路線の中でも人気の「田園都市線」と「池上線」だが、実は沿線への向き合い方が異なっている。各路線で東急が取っている戦略とは。
池上線の「地域に寄り添う戦略」
東急グループは田園都市線以前にも、路線に合わせた開発を進めるビジネスモデルをとってきた。例えば、戦前期の東横線である。そもそも東急グループの起源である田園都市は、住宅開発をするための会社であり、そこに鉄道を敷こうとして呼ばれたのが、五島慶太である。同氏は卓越したM&A戦略で巨大グループを築いていった。
しかしそんな東急にも、地域に寄り添う形の路線がある。東急池上線だ。
東急池上線はそもそも、池上本門寺参詣のために設立された池上電気鉄道にルーツを持つ鉄道である。最初の開業区間は蒲田〜池上(1922年)。本来は目黒まで路線を伸ばしたかったが、五島慶太が設立した目黒蒲田電鉄が目黒から蒲田まで路線を伸ばしたため、五反田へと向かうことになった(1928年に開通)。
その後、池上電気鉄道と目黒蒲田電鉄はし烈なライバル合戦へと突入。最後は1934年に池上電気鉄道は目黒蒲田電鉄に買収された。東急池上線は、現在では目黒蒲田電鉄の後継路線である東急多摩川線と車両などを共有しているのが、興味深い。
そんな東急池上線は、東急の中でも駅間距離が短く、駅の数も路線の短さの割に多い路線となっている。路線距離10.9キロ、駅数15駅と、平均して駅間距離が1キロもない。東急田園都市線や東急東横線の駅間距離がかなり長いのに対し、東急池上線の駅間距離は短い。
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