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東急「田園都市線」と「池上線」で決定的に“違う”こと:人気路線の戦略(5/5 ページ)
東急電鉄の路線の中でも人気の「田園都市線」と「池上線」だが、実は沿線への向き合い方が異なっている。各路線で東急が取っている戦略とは。
東急池上線ならではの特徴
東急電鉄路線の多くが長大な編成であるのに対し、東急池上線(と東急多摩川線)は3両編成と短編成で、その代わりに高頻度運転を行っている。東急池上線の全列車は各駅に停車する。
東急池上線への東急グループの接し方として特徴的なのは、大規模開発はせず、地域との共存共栄に努めていることである。木造駅舎の廃材を大切にした「みんなのえきもくプロジェクト」、開業90周年を記念した「池上線フリー乗車デー」での一日全線無料(2017年)など、地域活性化と一体となったプロジェクトを次々と推進している。
21年に開業した池上駅直結の商業施設「etomo(エトモ)池上」は、図書館やクリニック、保育所といった公共施設も入居している。東急電鉄の他の主要路線とは、沿線への向き合い方が異なるといえる。もっといえば、沿線をリードするのではなく、沿線に寄り添っている。この路線は戦略を変えているのだ。
鉄道を主とした地域づくりか、地域を主とした鉄道路線の運行か、どの鉄道会社もそれぞれのモデルにあった路線を運行しているものの、このように分かりやすい異なるモデルが東急にあるのは、興味深い。
複数の戦略を使い分けることは、鉄道会社にとって重要のようだ。
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