だいたいの数字を導く「推定する力」 身につけるには?:封筒の裏で計算する(1/4 ページ)
ビジネスの現場で求められるけっこう重宝するスキルのひとつが、ロジカルな思考プロセスに基づいた、「推定する力」だろう。その場でのロジカルな思考プロセスによる概略の数字を導き、さまざまなバリエーションに備えたほうが良い。
ビジネスの現場で求められるけっこう重宝するスキルのひとつが、ロジカルな思考プロセスに基づいた、「推定する力」だろう。新しい事業や企画を進める場合、そもそも経験がないのだから、どれだけさまざまな現実の数値データを活用して精密な計算をしたところで予想値にすぎないわけで、それなら、その場でのロジカルな思考プロセスによる概略の数字を導き、さまざまなバリエーションに備えたほうが良い。その後の方向性や戦略の幅も広がるというものだ。
例えば、新しい企画を出すと、間違いなく上司からは「どれぐらいの売り上げが見込めるのか?」「ターゲットはどれぐらいいるのか?」といった質問がくる。新しい事業の企画やマーケティングのプランなどを考える場合、これまでの経験則や前例がないときは、概算数値を推測する必要がある。
基本、これからのビジネスのことなど誰にも分からないのだが、推定値として「桁を間違えない」ぐらいの精度は必要となるだろう。あくまでこれは勘とか経験値とかではなく、スキルとして身に付けてほしいことであり(そうでなければ、それに近い経験がないと無理ということになる)、現在ある条件から推定値をはじき出したいところだ。
新しいことを考えることができる優秀な人ほど必要なスキルともいえ、「推定する力」を身に付けることができれば、何かあるごとに「これってどれぐらいいけると思う?」など、アドバイスを求められることも増えてくるだろう。そして、その根拠となる計算式とともに、瞬時に披露することができれば、その応用範囲は広い。
昔、米国での言い方として「封筒の裏で計算する」という表現を聞いたことがあるが、その場にある封筒の裏を使い、簡単な数式とともに概算値をはじくというコミュニケーションスキルも推定値を導き出す表れでもあり、まさに、ビジネスセンスのかたまりともいえるスキルだ。
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