だいたいの数字を導く「推定する力」 身につけるには?:封筒の裏で計算する(2/4 ページ)
ビジネスの現場で求められるけっこう重宝するスキルのひとつが、ロジカルな思考プロセスに基づいた、「推定する力」だろう。その場でのロジカルな思考プロセスによる概略の数字を導き、さまざまなバリエーションに備えたほうが良い。
「フェルミ推定」
この推定するスキルとして有名なのが、「フェルミ推定」と呼ばれるものだ。
フェルミ推定とは、正確に把握するのが難しい数値を、論理的に概算としてはじき出すことで、ノーベル賞物理学者エンリコ・フェルミからきていると言われる。フェルミは実際に問題を大学生に出題していたらしく、1980年代頃からは、アメリカの企業が採用活動で使うようになったと言う。私はお目にかかったことはないが、日本でも、コンサルティング会社や商社などでの採用試験において、いわゆる地頭の良さを測るために用いられているらしい。
例題として、「日本に電柱は何本あるか」「日本に包丁は何本あるか」「1年間にワイシャツは何枚売れるか」といったものがあげられ、これをロジカルに推定していく。
ワイシャツであれば、(「ワイシャツを着そうなホワイトカラーの人数」+「就活の人数」)×保有枚数を出したあとに、買い替えていくスパンをはじけば、期間内のワイシャツの売れる数字ははじけるかもしれない。もう少しつっこむなら、コロナ禍での通勤の減少やリモートワーク率をかけるといった推定も必要かもしれない。あるいは、形態安定化の普及によってクリーニング費用が減少するために枚数が増えるといった状況もあるかもしれない。
間違えていけないのは、これは知識として知っておくことが重要ではないということ。これらの答えを推定していくロジックを持っているかということがポイントだ。
そのときのアプローチは幅が広いほど良い。(正解に近づく)
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