だいたいの数字を導く「推定する力」 身につけるには?:封筒の裏で計算する(3/4 ページ)
ビジネスの現場で求められるけっこう重宝するスキルのひとつが、ロジカルな思考プロセスに基づいた、「推定する力」だろう。その場でのロジカルな思考プロセスによる概略の数字を導き、さまざまなバリエーションに備えたほうが良い。
ビジネスに応用する
会社でアスリート向けの製品を販売したいとなったとき、「我々のターゲットとなりそうなアスリートが何人いて、どれくらいの売り上げが期待できそうか」という話が出たとしよう。
そのとき、「アスリート 日本 人数」などとググるのも、「わかりません」と放棄するよりましだが、「じゃあ、こういうアスリートは? 使用頻度は?」となると、「ちょっと待ってください……」としかならない。単独の知識としてあったとしても応用も効かなければ、深い議論にもなりにくい。
よくあるのは、スポーツ種目別の公開人数を見ながら、「このうち10%がターゲットだ!」となることだろう。しかし、これは種目によっても、ある程度の費用をつぎ込める人数の比率は違うだろうし、そもそも種目別の人数自体、正確なものではない場合もある。そこで、必要となるのが、推定する能力となる。
ターゲットに対する売上を想定するわけだが、その推定のプロセスとして、複数の切り口を持っていれば、それは即戦略としての選択にもつながる。例えば、
大会に出るようなハイレベルのアマチュアアスリート数(推定大会数×人数)
スポーツ用品専門店で常連客の数(推定スポーツ店舗数×顧客数×想定比率)
普段練習している場所から推定するアスリート数(推定練習場数×人数×回転数)
など、種目によっても異なるだろうが、このように複数の推定するアプローチを持っていれば、そこから発展する議論にもついていけるだろうし、周りの見る目も変わる。さらに、ここでひとつの推定値が採用されれば、推定した条件のマーケットにアプローチすれば良いことになる。
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