特許庁、「辞めたけど良い会社ランキング」で4位 ”眠らない霞が関”で唯一評価されるには理由があった:グーグルやP&Gジャパンを抑え(1/3 ページ)
オープンワークが9月に発表した「退職者が選ぶ『辞めたけど良い会社ランキング2022』」で特許庁が4位を獲得した。多忙を極めるイメージのある中央官庁の中で、なぜ評価されたのか?
特許庁が「退職者が選ぶ『辞めたけど良い会社ランキング2022』」で4位を獲得した――多忙を極めるイメージが強い中央官庁の何が評価されたのだろうか?
特許庁躍進の理由を説明する前に、筆者が所属するオープンワークが運営する就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」が9月に発表した「退職者が選ぶ『辞めたけど良い会社ランキング2022』」の結果を紹介したい。
1位には「マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社」、5位に「グーグル合同会社」、6位に「アーサー・ディ・リトル・ジャパン」、7位に「P&Gジャパン合同会社」とトップ10に外資系企業が並ぶ。その中で、唯一の中央省庁としてランクインしたのが特許庁だ。
中央官庁と聞くと、「眠らない霞ヶ関」や「不夜城」といったイメージを持つ人は多いのではないだろうか。19年4月に働き方改革関連法案の施行により、民間企業を中心に残業時間の削減などの働き方改革が進んだ。一方、中央省庁での改革の歩みは遅く、失望した若手を中心に退職が相次いだ。20年11月には若手官僚の有志が、河野太郎行政改革担当大臣(当時)に国家公務員の働き方改革に関する要望をしたというニュースを見た人もいるだろう。
最近になって中央官庁もテレワークの導入が進んできたという声を耳にする一方で、本来「働き方改革」の旗振り役である中央官庁の働き方改革は道半ばのように映る。その中で、なぜ特許庁が退職者から評価されるのか。他の中央官庁との比較を交えながら、考察していく。
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