優秀人材の獲得に異変! 見捨てられる企業、選ばれる企業の深刻な二極化(3/3 ページ)
コロナ禍を経て、働き方の自由度が高い企業とそうでない企業の二極化が深刻化している。そして若手の優秀人材は、自由度が高い働き方を、企業を選ぶ際の基準として重視し始めている。働き方と企業の競争力の関係性について、人事ジャーナリストの溝上憲文氏が解説する。
企業の競争力に、深刻な影響も
人材の獲得は中途採用者に限らない。地方の優秀な新卒を獲得しやすいというメリットもある。USEN-NEXT HDは22年卒の採用に関し、新潟県長岡市と共催し、長岡市の大学などの学生を対象に正社員として採用。地元でリモートワークを行う「長岡ワーカー」制度を創設したところ、7人の内定者が出るなどリモートワークが人材獲得にも大きく寄与している。
住谷猛執行役員は自由度の高い働き方が人材の獲得する上でも有利になると語る。
「リモートワークが増えたことによって、在宅中に転職志望先のオンライン面接が昼間でも受けることができ、転職しやすい環境になっている。実際に当社の中途入社の面接も昼間行っている。しかも最近の傾向として感じるのは必ずしも金銭報酬の高さではなく、テレワークを含めて自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる企業を求める傾向が強くなっていることだ。逆に言えば、そうした働き方が難しい企業は人材競争力を失ってしまう可能性もあるのではないか」
大手企業を中心にIT投資を増やしている。リモートワークだけではなく、ICTツールやデジタルデバイスを使いこなすことによって業務の効率化やビジネスモデルの変革も同時に推進している。一方、IT投資に踏み切れない企業も少なくない。今後、両者の違いがビジネス上の競争力でも大きな格差がもたらす可能性もある。
さらにICTツールを駆使した自由度の高い働き方が可能な企業とそうでない企業とでは、人材の確保が難しいだけではなく、企業の成長を左右する人材競争力を失い、経営にも深刻なダメージをもたらすかもしれない。
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