その謝罪、逆効果かも……炎上発生時における「3つの心得」:「炎上」の正しい回避法(1)(2/3 ページ)
ネットが普及し、いとも簡単に「炎上」が起きる世の中になった。炎上の火種を見つけたとき、初動の対応がずさんであるほど、不手際がさらに広く拡散されて悪い評判が広まってしまう。そうならないために、どのように対応すべきなのか。ブラック企業アナリストの新田龍氏が解説する。
炎上発生時における「3つの心得」
今や、企業や個人の言動は多くの目にさらされている。少しでも違法性があり、モラル意識に欠けるような問題行動や不祥事は瞬く間に多数の人が知るところとなる。
そして初動対応や危機管理広報がずさんであるほど、不手際がさらに広く拡散し、批判は広がっていくだろう。それにより、普段崇高な理念を掲げている組織であればあるほど、ポジティブイメージは一瞬で瓦解し、不名誉な評判と記憶を残すこととなる。場合によっては組織の命運さえ左右する結果となるかもしれない。
いったん炎上が発生してしまうと、「気づいた頃には手遅れ」という事態になることも多い。元の発言や投稿はすでに多くの人の耳目に触れてしまっており、すぐに削除したとしても、既に誰かがテキストや画像、映像を保存している。
そのため「消したということは、何かやましいことがあるんだ!」とばかりに、削除前よりかえって増えてしまうなどということが起きる。この現象のことを指す「ケストフエールの法則」というネットスラングも存在するほどだ。
筆者は「レピュテーション(評判)改善」の専門家として、炎上トラブルの解決や、そこからの信用回復にも多数携わってきた。
炎上が発生してから事態収拾するために要する労力、お金、時間などはあまりに膨大であり、組織の貴重なリソースを激しく無駄にしてしまう。
炎上対策の基本は「そもそも発生させない」こと。そのために予防体制を徹底するのが一番である。そんな炎上発生時における、基本的な心構えを解説していこう。まずはシンプルに要素を3点のみ挙げておきたい。
「1.落ち着いて現状把握」「2.迅速な対応(ただし拙速は避ける)」「3.積極的な情報開示」の3点だ。
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