プレイングマネジャーが部下から評価されにくい意外な理由 “背中で見せる”リーダーに足りないことは?:4タイプ別で解説(1/4 ページ)
2019年に実施された調査によると、約9割がプレイングマネジャーとして働いていることが分かった。しかし、リンクアンドモチベーションによると、プレイングマネジャーに対する部下の評価が意外と高くないという。“背中で見せる”リーダーに足りないことは何か、その理由やマネジャーに求められることを解説する。
働き方改革による労働時間の規制や多様性のあるチームをマネジメントしていくことなど、マネジャーに求められる役割は増えている。実際に、近年現場レベルの職務を担いつつ、マネジメント業務に携わる「プレイングマネジャー」は2019年の調査時点で約9割に上ることが分かっている。次世代を担う若手からは「頑張れば頑張るほど業務が増えるのではないか」「管理職になりたくない」との声も聞こえてくる。
本記事では、プレイングマネジャーが生まれる背景とマネジャーがプレイング業務に縛られることによる課題、管理職の在るべき姿についてお伝えしたい。
管理監督マネジメント時代の終わり
プレイングマネジャーが増加する要因の一つとして、外部環境の変化が挙げられる。ひと昔前の日本は、製造業を中心に「作れば売れる」という時代があった。この時代のマネジメントは「管理監督」という側面が強く、作業ラインを見渡して、各所に「ちゃんとやっているか」を確認するようなマネジメントが主流であり、かつ、それで機能していた。
しかし、VUCAと言われる変化のスピードが早い時代、企業を取り巻く外部環境は激変している。環境変化に適応するのは容易ではなく、企業が直面する課題の難易度がはるかに上がっている。そうなると「難易度の高い課題にいかに対応するか?」が重要になるが、「できる人がやるのがいちばん早い」という判断から、マネジャー自身がプレイングするというケースが多く見受けられる。
そして、もう一つ考えられる要因が、プレイヤーからマネジメントに移行するのが難しいということだ。日本企業でマネジャーに就いているのは、プレイヤーとして成果を出して昇格した人がほとんどだろう。ただ、プレイヤーとマネジャーの仕事はまったく「別の競技」と言えるものである。
マネジャーになるには、プレイヤーとして成果を出してきた自分をリセットして、異なる競技にゼロからチャレンジするという意識を持たなければならない。しかし、プレイヤーの延長線上だと捉えている人が多いためにマネジャーへの「移行」が上手くいかず、結果としてプレイングから脱することができないマネジャーが増えているのだ。
この2つの要因は独立して存在している訳ではない。つまり、企業を取り巻く外部環境はものすごいスピードで変化し、そこに対応する必要から仕事の難易度は高まっている。そして、働き方改革の影響も加わり、もともと優秀なプレイヤーであったマネジャーはメンバーに任せるのではなく、自身でプレイング業務を行なってしまうことで、結果としてプレイングマネジャーが増加しているということだ。
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