プレイングマネジャーが部下から評価されにくい意外な理由 “背中で見せる”リーダーに足りないことは?:4タイプ別で解説(2/4 ページ)
2019年に実施された調査によると、約9割がプレイングマネジャーとして働いていることが分かった。しかし、リンクアンドモチベーションによると、プレイングマネジャーに対する部下の評価が意外と高くないという。“背中で見せる”リーダーに足りないことは何か、その理由やマネジャーに求められることを解説する。
意外に低いプレイングマネジャーへの評価
それでは、メンバーはプレイングマネジャーをどう見ているのか。筆者が所属するリンクアンドモチベーションが提供する管理職(累計779社、1万6483人)を対象にしたマネジメント状態を診断するマネジメントサーベイの結果から見えてきた「部下からの評価が高い・低いマネジャー特徴」を基に、メンバーが管理職に求めていることや管理職の本来の役割について考えていきたい。
本調査では、マネジメントサーベイの総合スコアを上位5%、上位5〜20%、上位20〜50%、下位50%という4群に分類している。それぞれの特徴を概観すると以下のようになる。
(1)下位50%に位置するマネジャー:目標必達を掲げるも、部下に任せてばかり
(2)上位20〜50%に位置するマネジャー:自ら動き、部下に寄り添うことで信頼を獲得
(3)上位5〜20%に位置するマネジャー:自部署の使命、言い換えれば抽象的な目的・目標から、具体的な役割や戦略、行動指針などを設計していることや、部下の成長を支援していることなどが評価されている
(4)上位5%に位置するマネジャー:部署内でそれぞれの役割を明確にするだけではなく、業務の背景や意義を伝え、部下のやりがいを創出していることが評価されている
(4)の組織の成果とメンバーの成長を同時に実現しているマネジャーが、最も評価が高く、部下から信頼されていることが分かる。
ここで重要なことは、「部下への支援行動」「率先垂範行動」といった項目の評価が高く、自ら率先して行動し、メンバーのサポートを行う、いわゆるプレイングマネジャーのイメージに合致するのは(2)に当たる上位20〜50%のマネジャーだということだ。背中で見せるというリーダーのように見えるが、メンバーからの評価はさほど高くないように映る。
上位20%のマネジャーと上位20〜50%の違いはどこにあるのか。上位20%のマネジャーの大きな特徴は、メンバーに組織の目標を示したうえで、自分がやるのではなく、メンバーにやってほしいことを具体的に設計・提示することによって組織成果を出せること。自ら率先してプレイングするのではなく、部下に成果を出すための具体策を提示し、部下の成長を支援できる人が、評価されるマネジャーだと言えるのではないか。
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