ハラスメントに悩む人へ「逃げることは負けたことにはならない」 ”二つに一つ”の解決策とは?:大愚和尚のビジネス説法(3/3 ページ)
法整備がされても、なくなることがないセクハラやパワハラ。「人間は弱いものをイジメ」ないと生きていけないのか? であれば、そのような世界でどう自分を守ればいいのか? ハラスメントがなくならないという前提に立って、社会を生き抜く心得を大愚和尚に聞く。
お釈迦さまは、「八正道(はっしょうどう)」と呼ばれる、幸福に生きるための8つの道を説かれました。その中に、「正命(しょうみょう)」があります。正命とは「正しい仕事をしなさい」という意味です。私たちは生きるために働くわけですが、働くとは、側にいる人を楽にすること。正しい職業や仕事とは、人に喜びを与え、社会に貢献するものでなくてはなりません。
その職場において、パワハラ、セクハラという、人間を脅かす行為が行われているとしたら、その職場は正命ではないのです。
命は有限です。「誰と働くか」「どんな職場で働くか」。その違いによって、職場が極楽になるか、地獄になるか、大きく分かれます。職場は家よりも長い時間を過ごす場所です。その職場が地獄であったとしたら、人生そのものが地獄となってしまいます。もしあなたが今、ハラスメント被害者なら、どうぞ勇気をもって戦ってください。
そして、もしそれでも状況が変わらないならば、その職場を潔く離れる選択も、大いにありです。
苦しみの場を離れることは、決して負けたことにはなりません。むしろ、あなたの命を生かし、能力を生かし、新たなチャンスをもたらす機会になるかもしれないのです。
著者:大愚元勝(たいぐ げんしょう)
佛心宗大叢山福厳寺住職。株式会社慈光マネジメント代表取締役。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。駒澤大学、曹洞宗大本山総持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。 僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。
HPにて「お悩み相談」を受け付けているほか、YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」で国内外から寄せられた相談にも対応する。著書『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)、『最後にあなたを救う禅語』(扶桑社)、『人生が確実に変わる 大愚和尚の答え』(飛鳥新社)など。
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