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苦境のジブリ美術館、クラファンなぜ伸びない? 去年は5000万円→今年は300万円しか集まらず:ジブリパーク盛況の陰で(2/2 ページ)
「三鷹の森ジブリ美術館」への寄付金額が伸び悩んでいる。コロナ禍の入館制限で収入が大幅に減少し、建物を所有する三鷹市は、持続可能な運営を支援するため、ふるさと納税の制度を活用したクラウドファンディング(寄付の募集)を10月から始めたが、目標の2000万円にはほど遠く、わずか300万円しか集まっていない。昨年の1回目の募金では、目標を大きく上回る5千万円近い寄付が集まったにもかかわらず、なぜ今回は振るわないのか。
ジブリパーク開業も影響?
さらに、今年11月には愛知県長久手市にスタジオジブリの世界を表現した「ジブリパーク」が開業し、にぎわいが連日メディアで報じられた。こうしたにぎわいぶりも、美術館の苦境に想像が及びにくい一因になっている可能性がある。
同館は今年10月、開館から21年目を迎え、建物の経年劣化や設備の老朽化が進む。宮崎駿監督が構想し、スタジオジブリが中心となって建築した建物は、細部までこだわりが詰まっている分、維持管理にも多額の費用がかかる。当面は、取り崩した3億5000万円の再積み立てが課題だ。
市は「良質で高品質なアニメーション文化の発信基地として、世界中から注目を浴びている市の宝物と呼べる施設」とし、支援を呼び掛けている。
寄付はふるさと納税サイト「ふるさとチョイス(ガバメントクラウドファンディング)」の専用ページで12月31日まで受け付けている。
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