2022年の自動車市場を振り返る 注目されたクルマ、実際に売れたクルマは?:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(4/4 ページ)
コロナ禍になって3年目。今年はコロナ禍以前のように、数多くの新型車が登場しました。どんなクルマが投入され、注目されたのでしょうか。2022年の自動車市場を振り返ります。
23年は逆境の克服を期待
また、今年の自動車業界で話題となったのは、生産の停滞です。コロナ禍によるサプライチェーンの混乱や半導体不足などにより、生産ラインの停止が頻発します。そのため人気はあるのに、生産が追い付かずに「受注停止」となるモデルが続発しました。
トヨタの公式Webサイトには「生産遅延に基づく工場出荷時期目処の一覧」が掲載されており、注文から2〜3カ月で工場出荷できるのは、40車種のうち3〜4モデルほど。15〜16車種は「販売店にお問い合わせください」と目処さえ提示できない状態です。まさに異常事態で、来年の販売に大きな影を落とすのではないでしょうか。
最後に、今年の国内新車販売台数(登録車+軽自動車)は、1〜11月の時点で約385万6900台。このペースでは、400万台はクリアできそうですが、昨年の年間約448万8000台には届きません。この調子では19年から連続3年のマイナス記録となりそうです。
23年は逆境の克服を期待したいと思います。
筆者プロフィール:鈴木ケンイチ
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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