2022年の自動車市場を振り返る 注目されたクルマ、実際に売れたクルマは?:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/4 ページ)
コロナ禍になって3年目。今年はコロナ禍以前のように、数多くの新型車が登場しました。どんなクルマが投入され、注目されたのでしょうか。2022年の自動車市場を振り返ります。
実際にEVはどれだけ売れたのか
22年はEVの話題が多かったのは確かですが、実際にEVはどれだけ売れたのでしょうか。
カーオブザイヤーをダブル受賞した「サクラ/eKクロスEV」は、6月の発売から11月までの5カ月間で2万1742台(「サクラ」が1万8319台、「eKクロスEV」が3423台:一般社団法人全国軽自動車協会連合会発表)を売り上げました。
これはEVとしては、非常に大きな数字です。日産のEVの代表格である「リーフ」の1〜11月の販売台数は約1万2000台ですし、輸入車全てのEVを合計しても1〜11月の販売台数は1万2000台程度。その数字を半年で軽々と上回っているのです。
しかし、軽自動車全体のランキングでは10位にも入りません。今年の販売トップの座を守るのは、ホンダの「N-BOX」です。「N-BOX」は、11年の初代誕生からこれまで、軽自動車の年間販売ランキング1位を9回も獲得している大ヒットモデルです。22年上半期の成績も文句なしのナンバー1。この調子では、15年から続くナンバー1記録を、さらに伸ばすことが確実となっています。
一方、登録車のランキングでも年間1位確実となるのがトヨタの「ヤリス」。こちらは20年から3年連続の首位という結果です。それに続きそうなのが、トヨタの「ルーミー」「カローラ」です。この顔ぶれも、近年となっては常連さんばかり。
日本自動車販売協会連合会は、月ごとの登録車(乗用車)の燃料別販売台数も発表していますが、EVの販売比率は6月の2%を最高にして、他の月は、ほぼ1%台で推移しています。つまり、登録車のうちEVは2%以下しか売れていないのです。結局のところ、今年はEVが話題になったけれども、実際に売れたのは、例年通りという状態でした。
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