やはり「酔えるグミ」は無責任なのか UHA味覚糖が間違えたこと:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
UHA味覚糖のソフトキャンディー「パリピ気分」が、SNSで叩かれている。「お酒」をコンセプトにしていて、アルコール分が2.0%入っていることから、批判が噴出しているのだ。アルコールが含まれているお菓子は他にもあるのに、なぜパリピ気分は炎上したのか。
タバコのように規制されるかも
これと全く同じことが実はアルコールでも進行中だということはあまり知られていない。その「舞台装置」としての役割を担っているのは、五輪ではなく日本人も大好きな「SDGs」(持続可能な開発目標)だ。
実はこの目標の中に、「すべての人に健康と福祉を」というのがあり、そのターゲットの中には「薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する」というのが含まれている。
日本ではSDGsといえば、レジ袋をやめてエコバッグを使ったり、割り箸をやめたり、太陽光パネルをいたるところに敷き詰めたりという「エコ」の言い換えだと思われがちだが、実は西側諸国が理想とする「持続可能な社会」の「敵」を名指しで叩いている部分もあるのだ。
筆者のコラム『SDGsを発明した人は本当に頭がいい、皮肉な理由』の中でも解説をしたが、このSDGsというのは、西側諸国にとって都合のいいルールを世界に押し付けることに利用されており、日本はまんまとその術中にハマっている。今、日本では政府から企業まで「SDGsを推進します」というのが合言葉になっており、戦時中の「贅沢は敵だ」「欲しがりません勝つまでは」のような国民運動にまでなりつつある。
さて、そんなムードの中、国連で「SDGsの観点からアルコールをもっと厳しく規制しましょう。日本は居酒屋の飲み放題とか販売規制をもっと厳しくね」なんて話が出たら、日本はどう対応するのか。WHOが「日本のストロング系チューハイは、SDGsの観点からも危険ドラックとして規制すべきだ」などと言い出したらどうするのか。
ここまでさんざんSDGsをありがたがっていたのに、急に手のひら返しで「こんな理不尽な目標守れるわけないだろ」なんて突っぱねることは難しいはずだ。SDGsを推進する国や企業に金が集まってくるので、ESG投資の観点からそんな“意識の低い言い訳”はできるわけがないのだ。
そうなると、西側諸国のように販売時には、厳格な身分証明書の提示が求められるようになるかもしれない。今は子どもが起きている時間に、ビールや酒類のテレビCMがバンバン流れているが、そういうものもかつてのタバコのように規制されていくかもしれない。
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